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予言されていた

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第三章

「ま、まさか」
「ど、どうしたんだ?」
「何があったんだ」
「宇宙人は電波で人類を攻撃しているんだよ!」
 こう言い出した。
「孔子が予言していたんだよ!」
「な、何だってーーーーーーっ!!」
 周りは何故か彼の言葉を鵜呑みにして一斉に叫んだ。
「どういうことだ!」
「孔子が予言していた!?」
「中国のあの思想家が」
「そうだったのか!」
「孔子は実は予言者だったんだよ!」
 何の根拠もなく喚きだした。
「論語や大学は予言書でもあったんだ!」
「そ、そうだったのか!」
「孔子は実は予言者だったんだな!」
「思想家でもあり」
「そうだったんだな!」
「不惑って言葉はな!」 
 四十歳になった時の言葉だ。
「電波に惑わされるなって意味だったんだ!」
「な、そうだったのか!」
「あの言葉にはそんな意味があったのか!」
「それでスマートフォンの電波はか!」
「実は人類を惑わす攻撃だったんだな!」
「そしてだ!」 
 彼の叫びは続く。
「宇宙人のその攻撃で人類は滅亡するんだよ!」
「二〇二五年七月にか!」
「ノストラダムスが言っていた!」
「一九九九年と言っていたのが実はこの時で!」
「人類は滅亡するんだな!」
「宇宙人の電波攻撃で!」
「そうだ、滅亡するんだ!」
 編集部の中で喚き続けた、それが漫画にもなり。
 雑誌に堂々と乗った、すると読者は思った。
「前の話感染症で滅ぶって言ってなかったか?」
「空海さんか誰かが予言してたよな」
「奈良の大仏にその謎があって」
「奈良の鹿が知ってるとかな」
「鹿は実は裏の支配者で」
「春日大社の裏に何かあるとか言ってたな」
「それで今度は孔子か」
 皆冷静に読んでいた。
「孔子って予言者だったんだな」
「もう何でもありだな」
「前からそうでもな」
「不惑が電波か」
「どっちが電波だよ」
「相変わらず狂ってるな」
「キチガイの主張そのまま漫画にしてるな」
 ネットでも書き込まれる、そして。
 こうもだ、彼等は書いて言っていった。
「こいつ何があっても予言でな」
「結論は人類滅亡だよな」
「頭の中予言とな」
「人類滅亡しかないな」
「どれだけ予言と人類滅亡好きなんだ」
「破滅願望の塊だろ」
「キチガイ過ぎるな」
 そう話されていった。
「ガチのキチガイだろ」
「どう見てもな」
「何でこんなキチガイ野放しにしてるんだ?」
「会社もおかしいだろ」
「編集部もな」
「周りおかしいと思わないのか?」
「まさか周りもかよ」
 ネットでも巷でも不思議に思われた、そして。
 医師もだ、また通報を受け病院に来た彼を見つつナースに話した。
「やっぱり出版社自体がおかしいよ」
「こうした人を放置するのは」
「もうね」
 それこそというのだ。 
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