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予言されていた

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第二章

「好きだそうだけれど」
「ここに来てもですね」
「夜に飲む主義で」
「いつもお昼に来ますからね」
「朝の時もあるけれど」 
 それでもというのだ。
「いつもだよ」
「反応はないですね」
「つまり全くの素面で」
 その状態でというのだ。
「ああしてだよ」
「叫んでいますね」
「大声でね」
「そうですね」
「だから」
 医師はナースに話した。
「あの人はあれだよ」
「精神異常ですね」
「明確なね」
「そうですね」
「しかしね」 
 医師はそれでもと話した。
「診断結果でも異常と出ても」
「入院しても」
「全く治らないし」
「お薬を飲んでもらっても」
「それでもね」
 そうしてもというのだ。
「全く改善しないし」
「困ったことですね」
「もうね」
 医師は諦めた様に話した。
「この人はね」
「回復の見込みなしですね」
「ないよ」
 完全にというのだ。
「このままだよ」
「ずっとですね」
「そして長期の入院を言っても」
 小乗が極めて深刻故にだ。
「聞かないしね」
「すぐに出て戦うとか言いますね」
「ノストラダムスとね」
「影の世界政府とか三百人委員会の時もありますね」
「宇宙人とかね」
 その辺りは色々だ。
「そう言って出ようとするし会社の方も」
「かなりの大手出版社ですね」
「誰でも知っている様な」 
 日本でというのだ。
「そんな会社でもね」
「そちらにお話しましても」
「何でかね」
 医師は首を傾げさせつつ話した。
「長期入院をね」
「いいって言ってですね」
「退院してもらって」
「すぐに勤務してもらっていますね」
「それがわからないよ」 
 どうにもというのだ。
「明らかな精神異常だというのに」
「それも極めて深刻な」
「けれどね」
「すぐに退院してもらって」
「勤務するから」
「わからないですね」
「全くだよ」
 そしてこの時も実際にだった。
 彼は食べ終えるとすぐに退院して職場に戻った、そして編集部である編集者がスマートフォンを使っているのを見てだった。
 一瞬で強張った顔なりだ、言いだした。 
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