西遊記
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第四回 悟空斉天大聖となるのことその八
「お主は全力でな」
「孫悟空と戦い」
「そしてじゃ」
そのうえでというのです。
「全力でな」
「倒してですね」
「捕らえてな」
そのうえでというのです。
「連れ戻すのじゃ」
「それでは」
太子が応えすぐに白い軍師の服を着た神様と青い服と鎧兜の若い神将が呼ばれてそのうえでなのでした。
軍を率いて花果山に向かいました、そのうえで天王が悟空に言いました。
「弼馬温、いるな」
「そんな役職は辞めたわ」
悟空はこう返しました。
「わしは斉天大聖だ」
「お主の義兄弟達と同じ様な呼び名ではないか」
「おう、あの者達にならってだ」
悟空は天王に言い返しました。
「そう名乗った、そして官職もだ」
「それになるというのか」
「これからはな」
「それは認められぬ、まずはだ」
「神界に戻れというのか」
「そしてだ」
そのうえでというのです。
「弼馬温の務めを果たすのだ」
「だから下っ端になぞなるものか」
まだ言う悟空でした。
「斉天大聖でなければ戻らぬ」
「まだ言うか」
「何度も言うぞ」
「それなら腕ずくとなるがよいか」
「望むところだ」
「よし、では金吒はわしと共に軍を率いよ」
「はい」
早速嫡男の一太子が応えました。
「それでは」
「木吒は軍師をせよ」
「わかりました」
二太子も応えました。
「そして哪吒はだ」
「孫悟空と一騎打ちですな」
「そうせよ、あの者は軍も率いておるからな」
それ故にというのだ。
「軍全体で戦うぞ」
「わかりました」
「それではです」
「その様に」
「皆の者戦うぞ」
こう言ってでした。
天王は三人の息子さん達と共に悟空と彼が率いる軍勢との戦に入りました、三太子はすぐに空に出てきた悟空に言いました。
「本気で行くよ」
「おう、そうでなくては面白くない」
悟空は如意棒を両手に持って構えて応えました。
「わしも全力でいくしな」
「君のことは聞いているよ、強いってね」
「だから斉天大聖だ、一人で神界をひっくり返せるぞ」
「言うね、けれど僕はその君をやっつけてね」
「神界に連れ戻すか」
「仕事をしてもらう為にね」
「だからあんな下っ端の仕事出来るものか」
悟空は憤然として言い返しました。
「だから下界に戻ったのだからな」
「万歳老のご命令でもかい」
「斉天大聖に任じて頂けるなら戻る」
それならというのです。
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