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金木犀の許嫁

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第六十六話 良心を待ちながらその四

「ヤクルトや西武で監督だった」
「巨人でショートだった」
「あの人よ」
「あの人それで有名ですね」
「痛風になったことでね」
「それはどうしてかというと」
「ホルモンがお好きで」
 それでというのだ。
「なったのよ」
「そうだったんですね」
「だからね」
「それはよくないですね」
「選手の人達は次試合ない日じゃないとお酒飲めなくてお肉もね」
「何か食べられなかったんですよね」
「次の日試合あったら焼肉食べられなかったみたいよ」
 広岡管理野球と言われ白米や肉食は禁止と言われていたが実際は制限であり料理人が彼の言葉を勘違いした場合もあった。
「煙草は絶対駄目だったそうだけれど」
「煙草は当然ですね」
 豊はそれはと返した。
「スポーツ選手ですし」
「そうよね、まあ私達未成年で」
「元々吸えないですが大人になっても」
「別に吸いたくないわね」
「そうですね」
 白華も言ってきた。
「煙草は別に」
「吸わなくていいわね」
「はい、ですが広岡さん実際は禁止じゃなかったんですね」
「制限でね」
 あくまでそうであってというのだ。
「絶対に駄目とかはね」
「なかったんですね」
「色々言われてる人だけれど」
 それでもというのだ。
「日本軍程じゃなかったから」
「帝国陸海軍ですね」
「昔の日本軍は本当に厳しかったから」
 その軍律の厳しさは今も言われている程だ。
「言うけれど」
「広岡さんはあそこまでいかなかったですね」
「そう、それでホルモンお好きだったのよ」
「そのせいで痛風になったんですね」
「そうなの、ホルモンは美味しいけれどね」
 それでもと言うのだった。
「食べ過ぎると痛風になるから」
「そこは要注意ですね」
「けれど好き嫌いなく食べられるなら」
 それならというのだ。
「本当にね」
「いいことですね」
「それに越したことはないわ」
「お寺でもですね」
「問題は残さず食べることで」
 そうであってというのだ。
「好き嫌いがなかったら」
「いいですね」
「それに日本だと普通に美味しいもの食べられるし」  
 夜空はこのことを話した。
「いいわよね」
「あっ、食べものがそうでない国ありますね」
 白華は夜空にも応えた。
「イギリスとか」
「あの国の子言うわよね」
「はい、絶望すると」
 通っている八条学園にはイギリスからの留学生もいるので聞いているのだ。
「大体お水が悪いと」
「土地とね」
「それで味付けや下ごしらえが酷くて」
「美味しくないみたいね」
「映画を観ましてもも」
 イギリスのというのだ。 
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