西遊記
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第三回 孫悟空武器を手に入れるのことその十三
「だからな」
「難しくともですな」
「暴れるのは程々でな」
「ううむ、言われてみますとわしは」
「難しいな」
「生まれてこの方我慢は苦手で」
悟空自身が言います。
「それでは」
「知っておるだけでも違うからな」
「このことをですな」
「知っていれば自覚出来る、自覚すればな」
そうすればというのです。
「それだけで違う、そしてな」
「はい、神界にですな」
「来るのだ」
「すぐに」
悟空は金星に応え金星は神界に戻りました、それが終わってから悟空は皆を集めて高らかに言いました。
「神界に行って来る」
「何と、そうなりましたか」
「金星様が来られ何かと思いましたが」
「神界へのお誘いですか」
「左様でしたか」
「それであった、それでじゃ」
悟空はさらに言いました。
「わしは暫し国を留守にするが」
「留守番と国の守りと統治ですな」
魔王が応えました。
「そのことですな」
「お主にな」
魔王にまず命じました。
「それにだ」
「さらにですか」
「命じたい」
「他の者達にも」
「ここはな」
こう言うのでした。
「これよりな」
「はい、留守役を命じられますな」
「わしがおらぬ間も国を治められる様にしよう」
悟空は確かな声で言いました、そして二つの山の猿に魔物それに他の悟空に仕える獣達を集めて言いました。
「混世魔王を宰相とする」
「わしがですか」
「うむ、そしてお主達をじゃ」
四匹の以前より助言をしてくれる年老いた猿達に言いました。
「その補佐の大臣達とする」
「おお、わし等はですか」
「大臣ですか」
「そうなりますか」
「それでは役目を果たさせてもらいます」
『頼むぞ、そしてお主達はな」
逞しい二匹の猿にも言いました。
「馬、流の元帥じゃ」
「軍を預かるそちらですな」
「我等は」
「うむ、そしてな」
今度は二匹の通臂猿を見て言いました。
「お主達は将軍とする」
「わかりました」
「それでは」
「して元帥にお主達もじゃ」
二匹の虎の頭の魔物、豹の頭の魔物も見ました。
「任じよう」
「さすれば」
「その様に」
「お主達は将軍とする」
狼の長と熊の長にも言いました。
「わかったな」
「その様に」
「務めを果たさせてもらいます」
「ではな」
さらに高官達を任じました、猿も魔物も獣もこれはと思う者はそうしました、そのうえで言うのでした。
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