西遊記
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第三回 孫悟空武器を手に入れるのことその十二
「だがな」
「それでもですか」
「大事を為すということはな」
「覚えておくことですか」
「ただ武器を手に入れてな」
如意棒のことも言います。
「不老不死になった訳ではない」
「大事を為しますか」
「必ずな、数多く失敗もし苦労もするが」
それでもというのです。
「かならずそうなる、それにじゃ」
「それにとは」
「そなたが会った四海龍王と十大冥王は強い」
金星はそのこともお話しました、そしてその強さが一体どれ程までのものか悟空に対してお話するのでした。
「神々でも高位の者達でな」
「というと金星様位に」
「うむ、わしの力はわかるな」
「それはもう」
悟空はまさにと答えました。
「かなりのものです」
「そなたとも渡り合えるまでにな」
「そうした神々が四柱十柱になると」
「お主も危ういな」
「はい、伊達にそれぞれの海や冥界を治めておりませんか」
「左様、だから揉めるとな」
そうなっていればというのです。
「そなたが危うかったわ」
「そして暴れてもですか」
「一柱なら兎も角な」
「四柱十柱になりますと」
「勝てなかったぞ」
「左様ですな」
「だからな」
それでというのです。
「お主には難しいが」
「程々ですか」
「そうせよ、よいな」
「わかり申した、ただ」
「何度も言うがお主には難しい」
金星はまたこう言いました。
「火の気そのものと言っていい位だからな」
「火の気が強過ぎるので」
「お主だけではな」
「抑えられませぬか」
「火にな」
悟空の強過ぎるその気にというのです。
「水、木、金、土のな」
「五つの気ですな」
「それが揃うとな」
そうなると、というのだ。
「抑えられるであろう、無理にでもな」
「無理にでもですか」
「だからお主はすぐに動いてしまうからな」
火の気が強過ぎてそうした癖性分だからだというのです。
「それでじゃ」
「無理にでもですか」
「そうなってばかりであろう」
「多いではなく」
「そうなるな」
こう言うのでした。
「やはり」
「そうなのですか」
「しかしな」
それでもというのでした。
「お主は必ずな」
「大事を為しますか」
「そのことは間違いない」
そうだというのだ。
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