西遊記
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第三回 孫悟空武器を手に入れるのことその十
六王は去りしこたま酔った悟空は一眠りしてからお風呂に入りました、そしてすっきりしたところで猿達がやってきました。
「大王、天帝からの使者です」
「太白金星様が来られています」
「帝からのお言葉があるとのことです」
「ほう、金星様が来られたか」
悟空は自分の神である彼等の言葉を受けて笑顔になりました。
「それは何よりだ」
「それでどうされますか」
「会われますか」
「そうされますか」
「会わぬ道理はない」
全くというのです。
「それではな」
「はい、それでは」
「これよりですな」
「会われますな」
「そうしよう」
笑顔で答えてでした。
悟空は金星に会いました、王の座から下りてです。
金星を上座に置いてそのうえでお話を聞くことにしました、ですが金星はその悟空に笑って言いました。
「畏っておるな」
「わかりますか?」
「それが苦手なこともな」
「はい、何しろわしは猿でして」
それでと返す悟空でした。
「もう何よりもです」
「堅苦しいことがだな」
「苦手で。ですが万歳老なら」
その方のことならというのです。
「わしもです」
「畏まるのだな」
「左様です」
こう言うのでした。
「口調もです」
「あらためてか」
「はい」
そしてというのです。
「そのうえで」
「万歳老のお言葉を聞かれるか」
「はい、それで何でしょうか」
悟空は金星に尋ねました。金星は洞の玉座の前に立ち悟空はその金星の前で畏まって膝を付いています。
「一体」
「悪い話ではないからな」
金星はこのことを断りました。
「だからな」
「安心していいですか」
「そなたに神界に来る様にな」
金星は帝のお言葉をそのまま伝えました。
「仰せだ」
「おお、神界にですか」
「そして告げることがあるとな」
「それも悪いことではない」
「うむ」
悟空に微笑んで答えました。
「それは確かだ」
「有り難い、それでは」
「参るな」
「喜んで」
悟空は文字通り飛び上がって応えました。
「そうさせてもらいます」
「ははは、嬉しそうだな」
「思わず飛び上がってしまいました」
「それは何より。ではな」
「これよりですな」
「神界に来るといい」
「それでは、それでなのですが」
悟空は喜んでさらに言いました。
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