西遊記
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第三回 孫悟空武器を手に入れるのことその五
「お主何ともないか」
「丁度いい重さだ」
悟空は棒を振り回しつつ言います。
「わしにとってはな」
「恐るべき怪力だな」
「振っても突いてもな」
「見事な武芸だが」
「お師匠様に仙術の一環で教わった」
その棒術も披露しつつ言います。
「よいであろう」
「確かにな」
「この棒には如意金箍棒とあるな」
そう彫られている文字に気付きました。
「如意棒か、わしの意のままになるとなると」
「うむ、その棒は大きさも変えられる」
龍王はまさにと答えました。
「それも出来る」
「それはよい、しかしここで大きくするとな」
「龍宮を壊すから止めよ、壊すと余も怒るぞ」
「龍王と揉めるつもりもないぞ」
「伊達に龍王の長ではないからな」
「今は武器を貰いに来たしな」
だからだというのです。
「わしも暴れぬ、よくしてもらっておるし」
「武器を渡したしな、こっちも貰うものは貰った」
「だからよいな」
「左様、しかしかなり貰った」
龍王はこうも言いました。
「だから兄弟四柱で分けよう」
「四海龍王でか」
「そうしよう、すぐに弟達を呼ぶ」
東海龍王はこう言ってすぐに神通力で他の三海の龍王に連絡をしました、するとすぐに他の龍王達が来てでした。
悟空が渡した金銀や財宝を四等分しました、そしてお話をしました。
「さて、貰ったからにはな」
「こちらも渡すものを渡すのが礼」
「神仏も人もそうせねばな」
こうお話をしてです、まずは南海龍王が悟空に言いました。
「余は冠を渡すぞ」
「防具だな」
「うむ、仙力が備わった金の冠だ」
それだというのだ。
「頭を何があっても護る」
「それをわしにくれるか」
「宝を貰ったからな」
「余は金の鎧を渡す」
今度は西海龍王が言ってきました。
「身体を護るものだ」
「やはり仙力が備わっておるか」
「そしてあらゆる攻撃からお主を護る」
「ではそれを貰おう」
「それではな」
「最後は余だが」
北海龍王も言ってきました。
「余は蓮の糸で作った歩雲履だ」
「靴か」
「雲や空の上を歩けるな」
「ほう、筋斗雲とそれで空は問題なしになる」
「それを渡そう」
「これは有り難い、これでわしは攻守に走が備わったぞ」
悟空は龍王達に貰ったものを早速身に着けました、そうして小躍りしました。
「嬉しいのう、わしは無敵になったぞ」
「しかし用心せよ、お主は不老長寿になったが」
ここで東海龍王が言いました。
「まだ不死ではない」
「そういえばそうか」
悟空も言われて気付きました。
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