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西遊記

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第三回 孫悟空武器を手に入れるのことその二

「ここはな」
「別のもので、ですか」
「造るべきですか」
「武器や鎧を」
「そうすべきですね」
「銅いや鉄でな」
 こちらでというのです。
「造ってな」
「鉄ですか」
「鉄とはまた」
「それを用いるとは」
「かなりですな」
「わしは仙術を極めた」
 それでというのです。
「それで鉄をどうにも出来る」
「人はそうするとのことですな」
「鉄を熱して形を変え」
「あらゆるものに造り変える」
「それが出来るそうですが」
「わしも出来る、だからな」
 悟空はさらに言いました。
「ここはな」
「鉄を掘り出し」
「それを製し」
「そしてですか」
「武器や鎧兜にしますね」
「そうしよう」
 こう言ってでした。
 悟空は周りの気を察し金の気配がした山に行ってその山から多くの鉄を掘り出して猿や魔物達に鉄の場所と掘り出し方と製鉄の仕方も教えてでした。
 鉄の武器をどんどん造りました、鎧もそうしてです。
 武装させました、そうしますと。
「うむ、これでな」
「よいですか」
「鉄で武装しますと」
「鉄の槍や棒を持ち」
「鉄の鎧兜を身に着け」
「鉄の盾を持ちますと」
「強い」
 周りの者達に笑って答えました。
「かなりな、では何かあればな」
「鉄で武装し」
「そして戦う」
「そうしますな」
「そうする」
 まさにというのでした。
「よいな」
「わかりました」
「ではその時が来れば」
「我等も戦います」
「そうします」
「そうしてもらう、しかし」
 悟空はこうも言いました。
「わしはどうすべきか」
「ああ、そういえばです」
「大王の武器はまだですな」
「そうですか」
「わしが手ぶらではどうもいかんな」
 猿達に真剣な顔で言いました。
「わしに相応しい武器はないか」
「それでしたら」
 すぐに魔王が言ってきました。
「東海龍王のところに行かれては」
「四海龍王の長兄のか」
「はい、龍王の中で最上位の」
「かなりの高位の神だしな」
「あの方ならです」
 魔王はさらに言いました。
「いい武器を持っているでしょう」
「だから事情を話してか」
「頂いては」
「そうだな、あの龍王のことはわしも聞いておる」
 悟空は魔王の言葉に頷いて言いました。 
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