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西遊記

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第三回 孫悟空武器を手に入れるのことその一

                第三回  孫悟空武器を手に入れるのこと
 孫悟空は混世魔王と彼の手下の魔物達も臣民にしてそのうえでさらに楽しく日々を過ごしました、ですが。
 その中で、です。ふと思いました。
「魔王は大刀を持っておるが」
「それが何か」
「お主だけでなくな」
 魔王に対して言いました。
「他の者達にもだ」
「武器が必要ですか」
「そう思った」
 こう言うのでした。
「どうもな」
「そうですか」
「うむ、だからな」
 それでというのだ。
「他の者達にも武器を持たせるか」
「いざという時に備えて」
「人は武器を持ちな」
 かつて外に出た時のことをお話します。
「鎧兜で身を固めて戦う」
「それがしに様に」
「そうすると強い」
 このことをお話するのでした。
「だからな」
「猿も魔物達もですか」
「皆武器を持ってな」
 そうしてというのです。
「鎧兜を身に着け」
「いざとなれば戦う」
「そうなる様にしよう」
「それがしとの戦で学ばれたのですね」
「左様」
 悟空はその通りだと答えました。
「まさにな」
「やはりそうですか」
「それでな」
 そのうえでというのです。
「これからはな」
「武装して」
「また鍛錬もしてな」
 そのうえでというのです。
「何かあれば戦う」
「そして敵を退けますか」
「わしは強い」
 悟空は自分のことも言いました。
「誰にも負ける気はせぬ、しかしな」
「それでもですな」
「お主もおるが」
 それでもというのです。
「やはりな」
「戦える者は多い方がいいですな」
「それでじゃ」
「ここはですな」
「武器や鎧を揃え訓練もしよう」
 こう言ってでした。
 悟空は猿や魔物達に武器を持たせ鎧を身に着けさせました、ですがその姿を見てどうにと言いました。
「今一つだな」
「槍や棒を持ち」
「鎧を着けました」
「兜も被りました」
「盾も持ちましたし」
「いや、木や竹や革ではな」
 そういったもので造ったものではとです、悟空は四人の長老の猿達に答えました。
「今一つだ」
「弱いですか」
「そうなのですか」
「そういったものから造っては」
「そうしたものは」
「だからな」
 それでというのです。 
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