西遊記
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第二回 孫悟空混世魔王を倒すのことその十六
「これがな」
「そうであるな」
東海龍王はまさにと応えました。
「これが」
「長兄もそう思うな」
「子を育てていていつも思うことだ」
東海龍王は西海龍王に答えました、西海龍王の龍宮で共に酒を飲みご馳走を食べつつお話をしています。
「それはな」
「そうであるな」
「余も同じだ」
南海龍王も言います。
「どの子もあと少しをどうするかが厄介だ」
「そうだな」
「そなたの三男の白馬もだな」
「同じでな、次兄も言うな」
「この通りな」
「その一皮をどうにかする」
北海龍王も言ってきました。
「親としても難しいな」
「弟も思うことだな」
「親だからな」
それ故にというのです。
「思わぬ筈がない」
「そうだな」
「そして三兄もだな」
「他の子達にも思ったことがな」
まさにというのです。
「三男にも思う」
「その時が来たな」
「まさに」
「白馬にも」
「そうだ、どうしたものか」
兄弟達に考えつつ言います。
「一体な」
「修行に出すにしてもな」
東海龍王は言いました。
「我等は龍王であるからな」
「その子もな」
「かなりの力を持っており」
そしてというのです。
「気もな」
「強いな」
「お主の家だと金だ」
南海龍王も言いました。
「その気が強い」
「他の者に比べて格段にな」
「それが問題だ」
「さて、その気を抑えての修行となると」
北海龍王は考えるお顔で言いました。
「他に四人そうした者がおればいいか」
「それぞれ四人か」
西海龍王はそう聞いて思いました。
「おるか」
「難しいのう」
「しかしおれはな」
「その時は大きなことをしてな」
「大きなことを為せるな、ではな」
西海龍王は兄弟達にさらに言いました。
「今は待つか」
「その者達が揃ってな」
「共に修行が出来る時をな」
「待つべきであるな」
「待つのも修行」
西海龍王はこうも言いました。
「なら今は待つか」
「そうすることだな」
「それまではあの者だけで修行をさせよ」
「一人でもそれなりの修行が出来るしな」
「そうしよう」
兄弟達に答えてでした。
西海龍王は今は白馬に彼だけの修行をさせました、そして大きな修行をさせるその時を待つのでした。
第二回 完
2025・2・22
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