ハッピークローバー
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第百七十話 近付く終幕その十一
「いいわね」
「そうだよね」
「うん、魔女ってね」
「悪いことしないとね」
「いい人達だよ」
「愉快なね」
「魔女狩りなんてね」
そうした行いはというと、
「本物だったら捕まる筈ないよ」
「魔法で逃げるわよね」
「そもそもばれないか」
「絶対にね」
「魔女狩りで捕まって殺された人は皆違うから」
魔女ではなかったというのだ。
「本物はね」
「逃げられるわね」
「普通にね、それで魔女がお空を飛んで」
箒に乗ってというのだ。
「楽しい魔法使うならね」
「それでいいわね」
「怖がることもないよ」
「むしろ一緒にいたいわね」
「うん、妖怪さん達も同じでね」
「今一緒にダンスを踊っていても」
「それでもね」
そうしていてもというのだ。
「何が怖いか」
「そうよね」
一華も確かにと頷いた。
「どうしようもない屑の方が問題よね」
「遥かにね」
「そうよね」
「だからね」
それでというのだ。
「僕達は踊ろう」
「二人でね」
「踊って何かいいことあるか」
「ずっと一緒でいられるとか」
「そんなおまじないみたいなお話はなくて」
そうであってというのだ。
「二人でいること自体がね」
「いいことね」
「そうだよね」
「そうね」
一華はにこりと笑って答えた。
「その通りね」
「だからね」
「今は一緒に踊ることね」
「そうしよう、他の人達と一緒に」
「幽霊や妖怪さん達がいたらその人達とも一緒に」
「踊ろうね」
「それじゃあね、ひょっとしたら」
キャンプファイアーの燃える火の向こう側を見てだ、一華は言った。そこにもカップルが見える。それも何組も。
「あそこにね」
「妖怪さん達いるかもね」
「そうかも知れないわね」
「それでどんな妖怪さんかな」
「そうね、この学園色々いるらしいけれど」
妖怪達がというのだ。
「花子さんとかね」
「トイレの花子さんだね」
「お相手は誰かわからないけれどね」
「鬼とか天狗とか」
「そんな妖怪さん?」
「口裂け女とかね」
「女の人同士ね」
「それでも一緒にね」
カップルになってというのだ。
「踊ってるかもね」
「恋人じゃなくてお友達同士で」
「それでね」
「それでも面白いわね」
「うん、あと子泣き爺と砂かけ婆とか」
この妖怪達の組み合わせも話した。
「あるかもね」
「漫画でもあったわね、そのカップリング」
「ゲゲゲのね」
「そうだったわね」
「他にも色々妖怪さんいるし」
八条学園自分達が通っている学園にはというのだ。
「それでね」
「カップルになって踊ってるのね」
「そうじゃないかな、お隣さんもね」
そちらのカップルもというのだ。
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