新オズのブリキの樵
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第十幕その五
「お金のことはね」
「外の世界では絶対だね」
「それでお金の価値がなくなったら」
「それはそれでだね」
「大変なことになるのよ」
外の世界ではというのです。
「本当にね」
「だからだね」
「そう、そこはね」
どうしてもというのです。
「難しいところよ」
「お金に縛られて」
「色々なことがあるけれど」
「価値がないとだね」
「ものとものの交換になったりして」
そうした事態にも陥ってというのです。
「大変なことになるんだ」
「お金は難しいね」
「とてもね」
ドロシーも否定しませんでした。
「何かと縛られて支配されて」
「それで価値がないとそれはそれで大変な」
「そんなものよ」
「それでお金がないから」
「その球場もね」
「屋根は設けたけれど」
「それでもね」
そうしたけれど、というのです。
「中途半端にね」
「隙間があるんだね」
「若し最初からそうした設計なら」
球場の屋根がというのだ。
「設計した人達採用した人達のね」
「ミスだね」
「そうだと思うわ」
「そうなるんだね」
「ええ、けれど球場がある場所がわかっているなら」
そうであるならというのです。
「有り得ないね」
「そこまでのミスだね」
「そうだと思うわ」
こうお話しました。
「私もね」
「オズの国ではないことだね」
「ええ、間違えてもね」
「人はどうしても間違えることがあるよ」
「そう、完璧でないから」
「けれど間違えてもだよ」
かかしも言ってきました。
「すぐに訂正するしね」
「オズの国の人達はね」
「間違えることもある」
「誰だってね」
「そうしたものだし」
人はというのです。
「問題は間違えた時どうするか」
「そうよね、若し間違えたまま屋根を設けても」
「すぐに建て直すしね」
「そうするしね」
「問題ないね」
「そうだけれど」
オズの国ではとです、ドロシーはお話しました。
「外の世界ではね」
「そうもいかないね」
「そんな場合もあるのよ」
「そういうことだね」
「ええ、それでね」
ドロシーはかかしにお話しました。
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