新オズのブリキの樵
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第十幕その六
「その球場はね」
「お金がないか設計ミスで」
「そうなってね」
「そのままなんだね」
「この球場と違ってね」
「厄介だね」
「日本にそうした球場あるのね」
ドロシーは少ししみじみとした口調になって言いました。
「そのこともね」
「今知ったね」
「ええ、日本も野球は盛んだけれど」
「オズの国やアメリカみたいに」
「中にはね」
「そんな球場もあるんだね」
「そうなのね、いい球場は多いと聞いたけれど」
それでもというのです。
「甲子園とかね」
「あの球場は有名だね」
「日本一だってね」
「こちらの世界にもあるしね」
樵は笑顔で言ってきました。
「お笑いの街の近くに」
「ええ、あの屋外の球場ね」
「あそこは確かにいいね」
「外観も風情があって」
「あの蔦がいいんだよね」
樵は笑顔で言いました。
「他の球場にはない風情があって」
「確かにいいわね」
「グラウンドも最高でね」
「内野は土で」
「あれがまたね」
「風情があるわ」
ドロシーも笑顔で言います。
「他の球場にはない」
「そうだね」
「他にもね」
「いいところがあるんだよね、あの球場は」
「オズの国は色々素晴らしい球場があるけれど」
「あの球場は格が違うわ」
「ファンの人達も違っていて」
この人達もというのです。
「その球場が揺れる位にね」
「応援するからね」
「あの応援も凄いわね」
「上下左右に揺れて」
球場全体がというのです。
「驚くばかりよ」
「はい、起きた世界でもです」
ジョージも言います。
「甲子園の応援は凄くて」
「球場が揺れるね」
「それに球場自体もです」
「素晴らしいんだね」
「これ以上はないまでに」
それこそというのです。
「最高のです」
「球場だね」
「そうです、入っただけで」
甲子園球場はというのです。
「空気が変わって」
「そうしてだね」
「その中で応援する様になります」
「こっちの世界でもあの球場でハイスクールベースボールの大会があるけれど」
かかしが言ってきました。
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