新オズのブリキの樵
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第十幕その三
「雪が入るからね」
「そうですよね」
「本当にね」
「そういえば」
熊の王様は二人のお話を聞いて思いました。
「外の世界にはそんな球場があるらしいな」
「それは困りますね」
「全くですな」
ラベンダー熊もクマ伍長もそうした球場はと頷きました。
「雪が入るなんて」
「外の世界だと気温が変わるし」
「それは困ります」
「寒いことも」
「そうであるな、しかも」
さらに言う王様でした。
「そうした球場は夏もである」
「外の世界では暑い」
「そうした時もですな」
「問題があるのかもね」
「雪が降る時もそうなら」
「有り得ますな」
「外の世界のことはよく知らないですが」
ラベンダー熊も伍長も言います。
「そうした球場なら」
「本拠地なら困ります」
「全くであるな」
「ああ、あそこだね」
ジョージは王様達のお話を聞いてはっとなって言いました。
「埼玉の方の」
「あの球場だね」
神宝もわかりました。
「僕達関西にいるから行ったことがないけれど」
「あの球場は有名よ」
恵梨香も言います。
「春先や秋の終わりは寒くて」
「雪も入るのよね」
ナターシャも知っています。
「春先には」
「傍にスキー場がある場所だから」
それでと言うカルロスでした。
「雪も入るんだね」
「ドーム球場でもね」
「密封式じゃなくて隙間があって」
「そこから風や冷気が入って冷えて」
「秋の終わりもそうで」
五人でお話します。
「夏は夏で暑くて」
「熱気が籠って」
「もう蒸し風呂みたいで」
「熱中症の危険もあるとか」
「色々問題があるのよね」
さらにお話するのでした。
「何でも交通の便もよくないそうで」
「昔はすごく評判がよかったのに」
「奇麗な球場って」
「それが今はね」
「そんなお話ばかりよね」
「そこはどんな球場なのかしら」
レイさんもお話を聞いて目を瞬かせました。
「一体」
「外の世界でよかったです」
サキも言います。
「若しオズの国にあったら」
「そうした場所でコンサートは辛いですし」
それにと言うユウでした。
「観戦も困りますね」
「そうした球場が本拠地ですと」
どうかとです、ヒミカも言います。
「チームの人達が大変ですね」
「何で密封式にしなかったんでしょうか」
ミユは首を傾げさせて言いました。
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