西遊記
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第二回 孫悟空混世魔王を倒すのことその十五
「それはどちらの界の者ではない」
「それが神仏でなかろうとも」
「仕えている獣でもですな」
「それは同じですね」
「下界の妖怪のすること、そしてその様な行いをすれば」
そうすればといいますと。
「その生では神仏にはなれぬ」
「そして仙人にも」
「そうなってしまいますな」
「どうしても」
「そうなるのだ、そう思うとな」
大将は言いました。
「拙者達は尚更だ」
「身を慎まねばなりませんな」
「神界の者として」
「やはり」
「神仏の域には達していないが」
自分達はというのです。
「仙術は備えておるしな」
「仙人です」
「我等はまさに」
「そうなります」
「そしてその中でもです」
部下の神将達は言いました」
「大将はかなりの方です」
「水軍の天蓬元帥とも並び称されるまでに」
「だから天帝のお傍におられます」
「帝の近衛軍の大将であられます」
「しかも恐れ多くもだ」
大将は自分から言いました。
「帝の簾を上げる役目まで仰せつかっている」
「左様です」
「そこまでの方です」
「大将は万歳老にも認められています」
「そこまでの方です」
「その信頼に応える為にもな」
そうも考えてというのです。
「拙者も気を付ける」
「御身を慎まれ」
「精進されますか」
「これからも」
「その様にしていく」
こう言うのでした、そして部下の神将軍達とこれからの近衛軍の在り方についてお話するのでした。
白馬は今修行中ですが。
今彼のお父さんの西海龍王は兄弟である東海龍王、南海龍王、北海龍王と集まってお話をしていました、見ればです。
東海龍王は青、南海龍王は赤、北海龍王は黒とそれぞれの色があります。服は全てそうなっていてお顔は整った壮年の男性です。
その兄弟達にです、白い服の西海龍王は言いました。
「うちの三男だが」
「あと一皮か」
「それだけ成長すればな」
「問題はないな」
「他の兄弟達の様にな」
まさにというのです。
「見事な神か仏になれる」
「そうだな」
「我等の子も同じ様になれるな」
「あと少しでな」
「しかしその少しが難しい」
どうにもというのです。
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