西遊記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二回 孫悟空混世魔王を倒すのことその十四
「それはせぬ」
「我等もそれは同じです」
「殺生はいたしませぬ」
「決して」
こぞって誓いました。
「成敗はしましても」
「身体はどうかしてもです」
「魂魄までは潰しませぬ」
「決して」
「そうだよ、殺生はしたら駄目だよ」
元帥も言います。
「本当にな」
「そして元帥も」
「殺生はしませぬな」
「絶対に」
「神界と仏界にいれば」
それならというのです。
「それは絶対だ、人界にいてもな」
「はい、そうであろうとも」
「殺生はせぬ」
「絶対に」
部下の水軍の人達も言います、それがまさに神界それに仏界の者達の絶対の法であると。そうお話してです。
今はお酒に美味しいものを食べました、見れば食べるものも精進ものばかりで殺生はありませんでした。
捲簾大将は今部下の人達にお話していました。
「我々が人界に下るのは常にだ」
「役目があってですな」
「そうしてですな」
「下りますな」
「それが懲罰の場合もあるが」
それでもというのです。
「役目がある、そして神界や仏界におるのなら」
「殺生はせぬ」
「何があろうとも」
「それは絶対ですな」
「拙者も同じだ」
大将自身もというのです。
「やはりな」
「人界にあってもですね」
「お役目があり」
「殺生は犯さない」
「それは絶対だ、若しそれを犯せば」
殺生をというのだ。
「その瞬間に滅ぶ」
「そうなりますな」
「まさに瞬時に」
「そうなりますな」
「だからせぬ、食するものも」
それもというのだ。
「生臭ものはならぬ」
「肉や魚であろうとも」
「精進したもので」
「頂いたものは食べても」
「自分からは食いませぬな」
「左様、そうでなくてはならず」
それでというのだ。
「間違っても下界の人や獣を襲って食うなぞな」
「何があってもです」
「神界や仏界の者はしない」
「絶対に」
「それをするならな」
それならというのです。
ページ上へ戻る