西遊記
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第二回 孫悟空混世魔王を倒すのことその十三
「そうであるからな」
「元帥もですな」
「あまり馴染みがなく」
「然程召し上がられませんな」
「好きであるがな」
このことは事実でもというのです。
「点心等の方が好きだ」
「ですな、ではです」
「蘇の後は点心を出しましょう」
「そちらを」
「蒸し餃子に焼売にな」
それにというのです。
「餅も欲しいところだ」
「餅はどちらの餅でしょうか」
部下の一人が聞いてきました。
「それで」
「麦の方だ」
元帥は笑って答えました。
「それならな」
「あちらの餅ですか」
「米の餅もよいが」
それでもというのです。
「今はな」
「そちらを食べて」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「酒もだ」
「飲まれますか」
「酒は米の酒だ」
こちらだというのです。
「今おいらの家でいいのはな」
「そちらの酒ですか」
「それでよいな」
部下達に尋ねました。
「酒は」
「はい、お願いします」
「そちらの酒をお願いします」
「それでは」
「他の酒もあるが」
お米のお酒以外にもというのです。
「今いいのはな」
「お米のお酒で」
「それで、ですな」
「我等にも飲ませて下さいますか」
「遠慮は無用だ」
元帥は笑って応えました。
「それではな」
「はい、これより」
「頂きます」
「点心に加えてです」
「酒もまた」
「そうするのだ」
こうお話してです、蘇の後は点心とお酒を楽しみますが。
その点心もでした、元帥は。
「やはりかなり召し上がられますな」
「点心も」
「そちらも」
「兎に角食わねばな、しかしな」
ここでこうもです、元帥は言いました。
「おいらの天界のもの、生臭ものは避けてだ」
「そしてですな」
「殺生もされませぬな」
「左様ですな」
「敵を倒してもな」
それでもというのです。
「あくまでだ」
「殺生はせぬ」
「命は奪わぬ」
「そうされていますな」
「左様、何があってもな」
それこそというのです。
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