西遊記
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第二回 孫悟空混世魔王を倒すのことその十二
「やはり甘くするのがいいです」
「そうだな」
「あれですな、蜜を入れますな」
「蜂蜜をな」
「今この国では作っていますし」
「甘いものも大好きだ」
悟空は笑って言いました。
「酒だけでなくな」
「それで果物を大いに作り」
「蜂蜜も作ってな」
こちらもというのです。
「皆でだ」
「大いに食っていますな」
「それでだ」
「酪には蜜ですな」
「あと果物の上にかけて食ってもいいな」
「ですな、あれも」
「それで蘇でだ」
この食べものでというのだ。
「白の葡萄酒を飲むぞ」
「これから」
「これもよい、それでわし等だけ飲めばいいか」
「いやいや、とんでもない」
笑ってです、魔王は応えました。
「独り占めなぞです」
「言語道断だな」
「それが二人でも同じです」
「左様、だから蜂蜜もじゃ」
悟空は笑って応えました。
「皆で楽しんでおる」
「酪もそうで」
「蘇もな」
こちらもというのです。
「そうしておる」
「大々的に作り」
「そうしてじゃ、皆で楽しんでこそな」
「よいですな」
「そうじゃ、では今夜も飲んで食うぞ」
悟空は笑顔で言ってそうしてでした。
魔王と一緒に白い葡萄酒を蘇を肴に楽しみました、そしてその後で蜂蜜をかけて混ぜた酪も楽しみました。
それは天界でも同じで元帥は部下の人達と共に天界の自分の屋敷の中において蘇を食べていますが。
その食べる量が多くてです、部下の人達は言いました。
「いつも通りですな」
「元帥はかなり召し上がられますな」
「蘇にしても」
「うむ、おいらは何でも食うが」
元帥は食べつつ応えました。
「蘇もだ」
「お好きで」
「それで、ですな」
「よく召し上がられていますな」
「よく食わんとな」
そうでないと、というのです。
「やはりな」
「働けませぬな」
「満足に」
「左様ですな」
「そうじゃ、ただ蘇も好きだが」
それでもというのです。
「やはり点心や麺の方がだ」
「お好きですな」
「包や米の飯も」
「そういったものの方が」
「蘇は天界ではあまり馴染みがない」
それ故にというのだ。
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