博士の挑戦状
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第二百四十八話
第二百四十八話 消えていったハード
小田切君は博士に神妙な顔で話した。
「もうPCエンジンも過去のものですね」
「うむ」
博士はその通りだと答えた。
「平成の最初の頃のな」
「本当に昔ですね、MSXも」
先にプレイしたこのハードもというのだ。
「そうですね」
「もう影も形もないな」
「ええ、本当に」
「しかしな」
博士は小田切君にそれでもと話した。
「確かに存在してな」
「皆遊んだんですね」
「そうだったのじゃ」
「そうですか」
「だからな」
それでというのだ。
「忘れられるとな」
「博士としては残念ですね」
「うむ」
そうだというのだ。
「やはりな」
「かつてそうしたハードがあって」
「皆楽しんで遊んでな」
そうであってというのだ。
「ソフトの開発と販売にな」
「攻略本を出していた人達のことはですね」
「雑誌もあったこともな」
「忘れられるとですね」
「大きな損失だとな」
その様にというのだ。
「わしは思う」
「損失ですか」
「うむ」
そうだというのだ。
「これもまた歴史だからな」
「歴史ですか」
「左様」
まさにというのだ。
「それはな、だから小田切君が今プレイしてくれてじゃ」
「嬉しいですか」
「左様じゃ、それで楽しいな」
「はい、ファミコンもよかったですが」
小田切君はまさにと答えた。
「MSXもPCエンジンも」
「では次はな」
「次のハードですね」
「楽しんでくれ」
博士は微笑んだ、そして今はPCエンジンを楽しんでいる小田切君にハードをさらに紹介するのだった。
第二百四十八話 完
2025・2・23
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