金木犀の許嫁
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第六十四話 両親が戻ってその六
「だからね」
「そうならない為にも」
「俺達はね」
「夫婦になってもですね」
「お互い努力して」
そうしてというのだ。
「ずっとね」
「仲よくいることですね」
「夫婦揃っては」
それはというと。
「一緒にね」
「努力してですね」
「なるもので」
そうであってというのだ。
「何も努力しないと」
「片方が」
「駄目になるよ」
「本当にお互いですね」
「そうだと思うよ」
まさにというのだ。
「俺は」
「そうなのね」
「うん、夫婦はね」
「揃ってこそね」
「喧嘩するよりも」
それよりもというのだ。
「仲がいいなら」
「それに越したことはないわね」
「そりゃ人間だから喧嘩する時もあるよ」
佐京はそうなることは否定しなかった。
「やっぱりね」
「どうしてもあるわね」
「うん、けれどね」
それでもというのだ。
「それでも仲がいいなら」
「それが一番よね」
「毎日喧嘩ばかりの夫婦なんて」
佐京は顔を曇らせて話した。
「駄目だよ、さっきお話した人の親御さんは」
「ああ、何か夫婦仲もね」
「物凄く悪かったらしくて」
八条学園ではこの話も有名であるのだ、悪い話というものは時として広く伝わり長く残ってしまうのだ。
「毎日いつもね」
「喧嘩ばかりで」
「酷かったらしいよ」
「そんな人だから余計に嫌われて」
「それでお子さんもね」
「そんな風にしか育てられなかったのね」
「こんな夫婦よりは」
それこそというのだ。
「仲がいい方がね」
「いいわね」
「うん、そうじゃないとね」
さもないと、というのだ。
「嫌になるよ」
「夫婦でいても」
「喧嘩ばかりだと」
「離婚にもなるわね」
「折角結婚してもね」
それでもというのだ。
「そうなるよ」
「そうよね」
「全く以てね」
それこそというのだ。
「夫婦はね」
「仲がいいのが一番ね」
「そうだよ」
夜空に確かな声で話した。
「そうなる様にお互いにね」
「努力していくことね」
「そうしたら二人共だよ」
「まさに夫婦揃って」
「幸せになれるよ」
そうだというのだ。
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