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金木犀の許嫁

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第六十四話 両親が戻ってその七

「必ずね」
「その通りね」
「幸せになるには努力も必要ってことは」 
 このことはというと。
「覚えておかないとね」
「結婚しても」
「結婚するまで色々あっても」
「問題は結婚してからね」
「それがゴールじゃなくて」
 またこう話した。
「むしろね」
「スタートよね」
「そうだっていうこともね」
「覚えておかないとね」
「若し結婚がハッピーエンドにしても」 
 例えそうだとしてもというのだ。
「結婚したらまたね」
「お話がはじまるわね」
「別のお話がね、だからね」
 そうであるからだというのだ。
「結婚したらお幸せにって言われるんだよ」
「幸せな結婚生活を送る様に」
「そうね」
 その様にというのだ。
「言われるんだよ」
「そういうことね」
「それで」 
 佐京は今度はこう言った。
「金婚式までなったら」
「五十年ね」
「素晴らしいと思うよ」
「長生きして」
「二人共ね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「ずっと一緒にいるっていうことだから」
「こんないいことはないわね」
「もう一つ上があるけれどね」
「結婚生活には」
「六十年で」
 五十年より十年経てというのだ。
「ダイアモンド婚までなったら」
「もっといいわね」
「そこまでいられる位ね」
「長生きして」
「二人共。そして」
 そのうえでというのだ。
「一緒にいられる」
「凄いことよね」
「そうなったら」
 それこそというのだ。
「もうね」
「これ以上はないよ」
「若し二十五歳で結婚しても」
「お互いね」 
 ここでは自分達を前提として話した。
「そうしてもね」
「五十年で七十五歳で」
「六十年で八十五歳だから」
「それだけ長生きして」
「一緒にいられたら」
「奇跡みたいね」
「うん、けれどそうしたいね」
 佐京は心から言った。
「どうせなら」
「そうよね」
 夜空もまさにと頷いた。
「その奇跡をね」
「実現したいね」
「私達もね」
「長生きして」
 お互いにとだ、佐京は言った。
「仲よくね」
「いることね」
「人生色々あって」 
 そしてというのだ。 
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