金木犀の許嫁
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第六十三話 結婚すべきでない人その九
「それぞれ幾つかクラスあってね」
「普通科が一番多くてね」
「それで二千人はいるわね」
「もっといない?」
「そうかしら」
「それで三学年だから」
「物凄いわね、それでその中で」
優に六千人いる生徒達の中でというのだ。
「一番嫌われてるね」
「あの人達レベルね」
「もっと酷いかもね」
その彼等よりもというのだ。
「今お話している人は」
「まさに人の底を抜けたのね」
「そしてね」
その結果というのだ。
「誰からも匙投げられて」
「本当に全くよくならないから」
「何の努力もしないで威張ってるだけで」
「行方不明ね」
「相当悪い環境でとんでもない毒親にずっと甘やかされていないと」
そうでないと、というのだ。
「なれないわよ」
「五十になるまで甘やかされないと」
「何でもこの人のお母さんがとんでもない毒親で」
「あっ、その人も凄かったのよね」
学園ではこのことも有名なので夜空も知っていた。
「ヒス持ちで執念深くて不平不満ばかりで感謝しなくてとんでもない自己中で努力もしないで遊んでばかりですぐに人と喧嘩して自分以外の生きもの皆大嫌いっていう」
「攻撃的でね」
「そんな人に甘やかされて」
「長男さんはそうで次男さん三男さんがおられても」
「育児放棄したのよね」
「ご主人のお姉さんに任せてね」
そうしてというのだ。
「遊んでばかりでね」
「長男さんだけ甘やかして」
「そうなったみたいよ」
「毒親は駄目な子供を育てるのね」
夜空はここまで聞いてしみじみとして言った。
「そういうことね」
「極端な例だけれどね」
それでもというのだ。
「そうなるわ」
「成程ね」
「このお母さんも皆から嫌われていて」
「聞いてるだけで絶対に誰とも仲よくなれない人だしね」
「その人が甘やかしたから」
「そこまで酷いのね」
「このお母さんも有り得ない位酷くて」
そうであってというのだ。
「育てるんじゃなくて甘やかしたから」
「普通の人が甘やかしたんじゃなくて」
「生きてるだけで害毒と迷惑を垂れ流して撒き散らす様な人がそうしたから」
だからだというのだ。
「そうなったのよ」
「酷いお話ね」
「私達のお父さんお母さんそんな人じゃなくて」
それでというのだ。
「周りもまともだしね」
「私達はそうはならないわね」
「これからも努力していけばね、今の時点でもだし」
「そこまで酷くなくて」
「それでね」
そうであってというのだ。
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