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金木犀の許嫁

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第六十三話 結婚すべきでない人その十

「さらにね」
「努力していったら」
「ほぼ確実にね」
「そうはならないのね」
「環境も悪くないし」 
 家庭のというのだ。
「このまま努力していったらね」
「そうはなれなくて」
「幸せにもね」
「なれるのね」
「この人はあまりにも駄目過ぎたのよ」
 そうだったというのだ。
「だって何をしてもらってもね」
「感謝しなくて」
「ちょっとしたことを恨んで」
「あれこれ言う人でもあったのね」
「こんな人は絶対によ」
 それこそというのだ。
「幸せにはね」
「なれないのね」
「そうなるわ」
 絶対にというのだ。
「本当にね、それでね」
「努力したらいいのね」
「そう、人間を磨くこともね」
「お勉強やお料理に」
「そうしたことも通じて」 
 そしてというのだ。
「人間を磨くのよ」
「そういえばです」
 白華が言ってきた。
「何かに対して努力したら」
「それで人間性も磨けるって言われてるわね」
「そうですね」
「そう、だからお勉強でもスポーツでもね」
「忍術でもですね」
「家事でもね、読書もちゃんとすれば」
 そうであればというのだ。
「人間を磨けるわ」
「あの人は読書好きでも磨けなかったですね」
「それはもう学ぶんじゃなくて」
 本を読んでというのだ。
「得た知識でさらに威張ったり本自体を偉そうに批評したり」
「そんな読み方で」
「学ぶ読み方じゃなかったから」
 だからだというのだ。
「人間性を磨けなかったのよ」
「本を読んでも」
「そんなのだと幾ら読んでもね」
「何にもならないですね」
「大体人から本を借りて読んで」
 そうしてというのだ。
「その本に偉そうに文句言ったらね」
「貸した人も嫌になりますね」
「挙句勝手に人の部屋に入って」 
 真昼はまたこの話を出した。
「本を勝手に漁る人なんてね」
「本を読んでもですね」
「無駄だしね」
「努力にならないですね」
「それでずっと何の努力もしなかったら」
 そうでなければというのだ。
「そうはならないわ」
「そこまで酷くはですね」
「そうよ」
 まさにというのだ、真昼は自分にも努力が必要と言うことを言い聞かせつつ白華に対して話していった。
「ならないわ」
「そうですね」
「何しろ礼儀作法もね」
「なかったんですね」
「そんな人だったそうだし」
「本当に何もなかったんですね」
「そう、努力したら備わるけれど」
 それでもというのだ。 
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