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博士の挑戦状

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第二百四十六話

             第二百四十六話  かつての野球漫画
 小田切君は野球ゲームでその黒いチームで圧倒的な展開を続けながらそのうえで博士に対して言った。
「このゲームでも巨人にいた選手いますし」
「特にエースがな」
「一番もですね」
「それでわかるな」
「はい、もうです」
 それこそというのだ。
「昔の野球漫画の主人公は巨人でしたね」
「絶対にな」
「嫌なことですね」
「巨人軍大鵬卵焼きというとな」
 この三つはというと。
「昔の子供の好きなものであった」
「最初は絶対に駄目ですね」
 小田切君は忌々し気に言い切った。
「巨人を好きなんて北朝鮮を好きなのと同じですね」
「あの碌でもない国をな」
「そうですよね」
「それで漫画もな」
「皆巨人で」
「魔球漫画全盛の頃じゃった」
「魔球ですか、昭和三十年代ですね」
 小田切君は魔球漫画と聞いてこう述べた。
「まさに」
「そうであるな、兎に角な」
 それこそというのだ。
「その頃から長い間な」
「巨人は人気がありましたね」
「それで漫画もであったのじゃ」
「おぞましいことですね」
「しかしな」
 それでもというのだった。
「その忌まわしい歴史もじゃ」
「今はないですね」
「そのゲームは昭和から平成になる頃のゲームでな」
「まだ巨人が存在感ありましたね」
「そうであったのじゃ」
「よくわかりました、しかしこのエース速球投げたらボールが消えて」
 観れば実際にホームベース前で消えている。
「バッターのバットに当たらないんで」
「無敵じゃな」
「いざとなれば速球投げればいいですからね」
「強いな」
「そのことは認めます」
 こう博士に話した。
「伊達に大リーグ養成何とかで鍛えられた訳じゃないですね」
「あれは何の意味もなかったがな」
 それでもとだ、博士は答えた。そして小田切君はそのチームで最後まで圧勝でクリアしたのだった。


第二百四十六話   完


                  2025・2・16 
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