新オズのブリキの樵
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第八幕その十一
「そうするのよ、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「何かあります」
「お話して下さい」
「どんなお話ですか?」
「今ここでお話して欲しいです」
六人でレイさんに言います、レイさんはこう言いました。
「参考には出来るわ、そして私達の出来る限りでね」
「あの人達の歌と踊りを取り入れる」
「そういうことですね」
「完全には無理でも」
「出来ることと取り入れる」
「そうすればいいんですね」
「私達は」
六人もはっとなって頷きました、そしてそれぞれドーナツと紅茶を楽しみながらそのうえで言ったのでした。
「それじゃあね」
「あの人達の踊りを見て」
「歌もね」
「私達の出来る範囲で採り入れましょう」
「いいと思ったところをね」
「そうしていきましょう」
「そうよ、そして私達自身のよさも引き出して」
そうもしてというのです。
「どんどんよくなることよ」
「ええ、そうしてね」
ドロシーもそのお話を聞いて言いました。
「よくなるものよね」
「歌と踊りはそうですよね」
「そうよ」
ドロシーはレイさんにコーヒーを飲みながら答えました。
「そして他のこともよね」
「世の中の」
「オズの国でもね」
「いいと思ったなら」
それならというのです。
「完全でなくても」
「観て学んでね」
「取り入れることですね」
「そうしていってね」
「よくなることですね」
「見て羨ましいと思って」
そうしてというのです。
「ひがんだり妬んだりすることはね」
「外の世界ではありますね」
「そうすることはね」
ドロシーはお顔を曇らせて言いました。
「やっぱりね」
「よくないことですね」
「オズの国では」
「かつてのラゲドー氏ですね」
「前のノーム王だったね」
「いいものを見ても」
「そう、ひがんだり妬んだりするだけで」
それだけでというのです。
「もうね」
「取り入れることはなかったですね」
「そうよ、そして悪いことばかりして」
そうであってというのです。
「いいことを努力することもね」
「なかったですね」
「そうだったのよ」
「だからよくなかったですね」
「かつての妖魔達もそうだったし」
「東の魔女、西の魔女、ググも」
「そうだったから」
だからだというのです。
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