西遊記
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第一回 孫悟空生まれるのことその十一
「三人は仏界でも評判がよいな」
「出来た者達だと」
金星はすぐに答えました。
「声が上がっています」
「では仏界とも話をしてな」
そうしてというのです。
「じっくりと話してな」
「どうするかを定めますか」
「そうするとしよう」
「そうされますか」
「それでどうか」
「いいと思います」
金星は天帝に穏やかで丁寧な口調で答えました。
「それで」
「お主もそう思うか」
「はい、ですが」
「それでもか」
「あの三人だけでなく」
さらにというのです。
「あと一人。そして修行なら導き手もです」
「必要か」
「あの三人はそれぞれの気が強過ぎます」
「元帥は水でだな」
「大将は木でして」
そうしてというのです。
「西海龍王の子は金です」
「それぞれの気が強過ぎるか」
「これではです」
「一人では厄介なことになるな」
「気はあまりに強過ぎますと」
「かえって問題となる」
「ですから一人一人では問題で」
修行をするにもというのです。
「三人でもです」
「足りぬな」
「ここに火が強い者を置き」
「導き手は土か」
「それで五行を揃えますと」
そうすると、というのです。
「修行も何かとあれど成功し」
「そしてか」
「はい、三人そして残る二人もです」
「神になれるか」
「そうなるかと」
「左様であるから」
「ですから」
それでというのです。
「今はです」
「待つべきだな」
「時が来れば」
そうすればというのです。
「彼等に勧めましょう」
「朕がな、優れた者達だ」
天帝がご覧になられてもです。
「それならな」
「機を見て」
「そして修行に出そう」
「それでは」
「あと釈尊が言っていたが」
天帝は仏界のお話もされました。
「何でも花果山に面白いことが起こったらしい」
「あの山ですか」
「朕はその時多忙でな」
「あの山はご覧になっておられませんでしたか」
「失念しておった、しかしな」
それでもというのです。
「釈尊は事前に察していたらしく」
「あの山をご覧になられていて」
「そしてな」
「あの山で起こったことをご存知ですか」
「その様だ、そしてな」
天帝はさらに言われました。
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