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FAIRYTAIL〜星の王子様〜

作者:花神スギ
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15話~コーネリアの秘密~

15話~コーネリアの秘密~


 ジュビア達に捕獲されたルーシィは、ある建物の部屋に監禁されていた。

「………………………………」

 未だ、意識は戻らずに用意されたベッドの上で1人眠り続けていた。

 そんなルーシィを見つめる1人の男。
 ルーシィの写真とルーシィ自身を見比べながら、興奮したような吐息でルーシィを見る。



「ルーシィたん……はぁはぁ、私たちはようやく出会うことができたね」

 コーネリア伯爵。
 フィオーレ王国でも有名な貴族出身の男。
 魔導師としても実力派でその名を轟かせる。

「コーネリア様、無防備で寝ている女性を襲うつもりはありませんよね?」



 コーネリア様と、呼ぶ執事服を着ている女性。
 彼女の名は、カレン。

 コーネリアに使える執事である。



「コーネリア様!手をだしたらさすがに引きます、そのような事はちゃんと手順を踏んでいかないと……そう、まずは恋の始まり!」

 何かと恋愛について、話す女性名前はレンカ。
 カレンと瓜二つの姿でメイド服を着ている。

 彼女達は双子の姉妹。
 執事とメイドでコーネリアに仕えている。
 共通点は2人ともブロンドヘアーに巨乳で美少女、2人はコーネリアのお気に入りである。

 ルーシィにも同じ共通点。
 ブロンド、巨乳、美少女。

 コーネリアのドストライクなのである。
 ルーシィが不憫でならない。

 この男こそが、ジュードがルーシィの縁談を持ちかけた男。

「2人とも嫉妬をさせてすまない」

 コーネリアは、双子の姉妹を気づかう。
 けれど

「していません……寝言は寝てからにしてください」

「さすがにコーネリア様は好きになれないかな?うん、無理!」

「はははは!そんな、照れなくても!私は2人とも愛している!」

 カレンとレンカは心底嫌そうな顔をするが、仕えているのだ、何かしら理由があるのだろうか?

「それにしても、さすがはハートフィリア家の令嬢……私の妻となる美しい女性!我慢ならぬ!」

 コーネリアは、服を脱ぎだす。
 鍛えられた体にパンツ一枚。
 ルーシィに近づく変態。

 このまま、ルーシィは襲われてしまうのか?




「ルーシィたんにまだ、見られていないが!眠る横で筋トレをするのは興奮する!!!」

 やはり、変態だ。
 ルーシィが眠るベッドの横の床で腕立て伏せをする男、コーネリア。

「カレン!レンカ!いつものを!」

 コーネリアは、2人に合図する。
 すると、2人は視線を合わせて。

「「ガンバレ!ガンバレ!コーネリア!かっこいいぞ!コーネリア!イケ!イケ!ガンバレ!ガンバレ!コーネリア!」」

 手拍子をしながら、棒読みで応援する。
 コーネリアは、お気に入りの女の子に見られながら筋トレするのが好きな変態な男。

「うぉぉぉぉ!!お気に入りの娘が応援してくれている!ルーシィたんも隣に居る!はぁはぁ……興奮する!」

 恍惚な表情で、コーネリアは筋トレをする。
 辛い筋トレであっても、お気に入りの女の子の応援があれば。

 至福の時を向かえていたコーネリアだったが、ある人物が訪問してくる。



 部屋の扉がコンコンとノックされ、1人の青年が扉を開けて姿を現す。



「失礼します……ここに、ルーシィお嬢様が居ると知り、お迎えに参りました」

 ヨゾラであった。
 ヨゾラは、部屋を見渡すと。

「申し訳ありません。部屋を間違いました」

 開いた扉を閉めようとするが、それを遮られる。

「いえ、お間違いはありませんよ」

 カレンがヨゾラを引き止める。
 2人は顔を見合わせて

「貴女は……」

 ヨゾラは、思いだす。
 コーネリア伯爵の屋敷に訪れた際に、出迎えをしてくれた女性。

「遠慮なさらず、お部屋にお入りください」

 カレンは、ヨゾラを部屋へと招き入れる。

「失礼致します」

「へぇー、イケメン!アタシ、イケメン君好きになりそう!!」

 カレンの後ろから、顔をだしたレンカはヨゾラを見て頬を赤らめる。

「………………結構です」

「えー、冷たいな?お名前はアタシはレンカ!イケメン君は?」

「…………僕はヨゾラです」

「ヨゾラ君かー?ねぇ、好きな人いるの?いなかったらアタシを好きになってもいいよ?」

 ガツガツと来る、レンカに若干引くヨゾラであったが、丁重に返事をする。

「………………結構です」

「あーもう!冷たいー!ますます好きになりそう」

「レンカ下がりなさい。お客様ですよ?」

 カレンはレンカを下がらせる。
 ヨゾラに

「して、ヨゾラさん、ご用件は?」

「ここにルーシィお嬢様が居ると聞いたので、お迎えに参りました」

 ヨゾラとカレン。
 どことなく雰囲気が似ている。

 一方はルーシィお嬢様の使用人。
 一方はコーネリア伯爵の執事。

 似ている点が多い2人。

「えぇ、あちらのベッドでお休みになられております」

 カレンは、ベッドの方をヨゾラに見せる。
 その瞬間、ヨゾラの顔が青ざめる。

 至高の存在のルーシィお嬢様の隣の床に、鼻息を鳴らしながら、腕立て伏せをしているパンツ一枚の変態。

「お嬢様!」

 ヨゾラは、カレン達を押し退けてすぐに、ルーシィの元へ向かう。
 変態を無視して、ルーシィの顔を覗き込む、ルーシィは寝息をたてて安らかな顔で眠っている。

「…………よかった」

 安心するヨゾラに声をかける、パンツ一枚の男。

「貴様……無礼であるぞ?私の癒しの時間を邪魔するのか?」

「貴方は…………」

 ヨゾラは、ようやく気づく。
 パンツ一枚で、腕立て伏せをしている男がこの間出会った、コーネリア伯爵だと。

「…………これは失礼致しました。コーネリア伯爵……で、なぜ貴方が?」

「ふん……不思議なことではない。ジュード殿から何も聞いてないのか?此度の作戦に私も参加すると」

 そういえば、そんな事も言っていたような?
 ヨゾラは、ジュードの話を思いだす。

「そうでした……申し訳ありません。忘れていました…………なぜ?腕立てを?」

「貴様には関係ない……用がないなら帰れ!」

 コーネリアは、ヨゾラをにらみつける。
 この作戦が始まってから人に睨まれてばかりだとヨゾラは思う。

「では……失礼します」

 ヨゾラは眠るルーシィを抱き上げて、部屋の外へと歩き始める。

 それを邪魔するように、カレンとレンカが立ち塞がる。

「ヨゾラさん……ルーシィ様は連れては行かせません」

「ヨゾラ君?ルーシィ様はね?コーネリア様の花嫁さんになるんだよ?」

「……………………は?」

 ヨゾラは理解できない。
 まず、この作戦にコーネリアが絡んでいることも疑問に思っていた。

「ジュード様から何も?」

「え?嘘!?聞いてないの!?」

「……………………」

 ヨゾラはジュードから何も聞いていない。
 先程のレンカの花嫁という、単語に違和感がありながらも。

「知りません……では、失礼します」

 とりあえず、無視してこの場を去ろうとするが。

 コーネリアがヨゾラに言い放つ。
 ジュードと交わした約束を。


「ルーシィたんは……私の花嫁。ジュード殿から縁談の話があってな……そういえば、貴様が持ってきたのであろう?ルーシィたんの写真とジュード殿からの縁談の手紙を?」

「……………………なるほど……僕は知らない間に……そういう事ですか……」

 ジュードからの命令で、コーネリア伯爵の屋敷に荷物を運んだ。

 それが、ルーシィとコーネリアの縁談の手紙だったとは……。


「ですが、ジュード様の本人確認をしてきます……話はそれからです」

「話のわからん奴だ!!もう、決まっている!明日には、ルーシィたんと結婚式を挙げるつもりだ!ジュード殿からも許しを得ている!」


「ふざけるな!!………………失礼致しました……つい、声を荒げてしまいました」

 一瞬、ヨゾラは怒りが頂点に達したが、すぐにいつも通りになる。

「貴様!?仕方ない!ルーシィたんは渡さないぞ!私の筋肉達よ!私に力を!」

 コーネリアは、魔力を高め始める。
 筋肉魔法。

 魔法で筋肉を増強して、屈強な肉体で相手を破壊する。肉体増強魔法では上位な魔法である。

「ルーシィーたん!!!!」

 コーネリアは、ヨゾラに襲いかかるが

「…………流星(スターライン)……発動!」

 ヨゾラの全身に星の竜の力が纏い始める。
 蒼光の星竜の逆鱗に触れる。



























 あれから、少しして

「コーネリア様、やられちゃったよ!ヨゾラ君、カッコいいな!イケメンだし、強いし!アタシ、ヨゾラ君、好きになっちゃった」

「レンカ……誰彼構わずすぐに好きになるのはやめなさい?」

 カレンとレンカの2人は、部屋で泡を吹きながら倒れているコーネリアを見ながら話していた。

「しかし、ヨゾラさん。お強い方ですね……一瞬でコーネリア様がダウンされました」

「めちゃくちゃ、怒ってたもんねー?ヨゾラ君!…………で、どうする?お姉ちゃん?」

「そうね……とりあえず、誰かに襲撃された不利をして私達も意識を失った不利をしましょうか?」

 カレンとレンカは、主であるコーネリアがヨゾラにやられてもお構い無し。
 流れに任せて、自分達もやられた振りをしようと床に横になる。

「そういえば……いい機会ね」

 カレンは再び立ち上がり、懐から一匹の幼虫を取り出す。

「気持ち悪い……お姉ちゃん、よく平気だね?」

「別に何ともないわ?……この幼虫がさらに、ヨゾラさんを苦しめる」

 カレンは倒れている、コーネリア伯爵の口に幼虫を入れる。

「気持ちわるー…………でも、これでアタシ達の任務は終わりだね?」

「そうね。あとは……幼虫が蛹になり、孵化をするのを待ちましょう」



 カレンとレンカ、コーネリアの執事とメイドのはずの双子の姉妹。
 彼女達の狙いは……?















 ヨゾラは、ルーシィを抱え歩いていた。

「お嬢様……僕は?……どうすれば?……ルーちゃん……」


 ルーシィを狙う変態からルーシィを守ったヨゾラ、しかし…………2人の決別の時は近い。














  
 
 
  
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