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FAIRYTAIL〜星の王子様〜

作者:花神スギ
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14話~星竜~

14話~星竜~




「見ているだけで腹が煮え繰り返しますね……ナツ・ドラグニル、貴方さえお嬢様を惑わさなければ、お嬢様は諦めて大人しく帰って来たというのに」

 謎の雰囲気の魔導師、ミッテによりナツ・ドラグニルがルーシィを妖精の尻尾へと誘ったことを知ったヨゾラは怒りから、ナツを睨んでいる。

「お嬢様……貴女の帰るべき場所は妖精の尻尾ではない。貴女が帰るためナツ・ドラグニルを排除することをお許しを」

 ヨゾラはルーシィに謝りながらも、良心を捨てただ、目の前のナツ・ドラグニルを排除することを決意する。


 一方、ヨゾラに標的にされたことを知らないナツはガジルと激しい戦いを繰り広げている。

「鉄竜昆!!」

 ガジルの鉄に変わった拳と

「火竜の鉄拳!!」

 ナツの炎の拳がぶつかり合う。
 勝負は互角か?と思われた時だった。

 突如、上空から何かが落下してきたのだった。
 その正体は、妖精の尻尾のギルドマスター、マカロフ・ドレアー。

 聖十大魔導師に選ばれ、大陸でも強者として有名な男が力無く落ちてくる。

「マ、マスター!?」

 突然の出来事に幽鬼の支配者のギルドメンバー達と戦っていた、妖精の尻尾のギルドメンバー達は戦いをやめる。代表するかのようにエルザが叫ぶのだった。

「ギヒッ!アリアの野郎がやりやがったな?作戦は知らねぇが成功したみたいだぜ?」

 ガジルの言うとおり、最上階で何かあったのだろう、知る限りではマスタージョゼの思念体がマカロフを待ち受けていた。

 マカロフの様子を見るに、体は緑色で魔力が感じられない、おそらく大空のアリアの魔力を消し飛ばす風の魔法であろう。
 しかし、マスターマカロフが簡単に罠にかかるわけがない、何かしら油断を誘うことがあったに違いない。

「爺さん!……魔力が無い?それに意識もねぇ!?エルザ!!」

 氷の造形魔導師のグレイがすぐにマカロフに駆け寄るがマカロフは意識がない。
 同時に、マカロフ不在の妖精の尻尾の一番の実力者のエルザに判断を仰ぐ。

 エルザは、この緊急事態を対処するため、脳内で考える。

 エルザの決断は。

「撤退だ!全員、撤退しろー!!」

 撤退。
 それが、エルザがだした答えであった。
 マカロフ失った今、幽鬼の支配者のマスタージョゼに対抗する手段を失った、撤退するしかない。

「エルザ!俺はまだやれる!せめてクズ鉄野郎をぶっ飛ばせねぇと来た意味がねぇ!」

 ナツは吼える。
 マスターを失ったが、せめて幽鬼の支配者の主力を1人でも減らしておきたい。

 ナツは頭が悪そうに見えるが、戦闘や状況判断については、誰よりも冴えている。
 ここで、1人潰すなければと。

「ナツー!ダメだよ!マスターがやられちゃったんだ!今はエルザの言うこと聞かないと!」

 ナツの相棒である青猫のハッピーが叫ぶ。

「ギヒッ!酷いこと言うなよ青猫?お前のご主人は、俺様とまだ戦いたいみたいだからよー!!」

 ガジルが、ナツに再び殴りかかろうとした時だった。



「ガジルさん……時間がかかり過ぎる」

 上空から、ヨゾラの声が聞こえてきたと同時に蒼光がギルド内を照らす。

 まるで青天の夜空のような蒼光の輝き。

 傍観者であった、ヨゾラが参戦する。
 ヨゾラの足には蒼光が纏われ、上空で回転しながら、ターゲットである、ナツ・ドラグニルに向かって、星の光がナツを襲う。

「星竜の彗星落とし!!!」

 回転しながらの強烈な蒼光を纏った、かかと落としがナツを襲う。

「っ!?」

 油断はしていないはずだった。
 ガジルと戦いたいつつも、周囲に警戒をしていたはずっだった、マカロフをやられた動揺もあるしかし初めて会った時と同じ、突然、ヨゾラが現れる。

 対処しきれずに、ナツは脳天にヨゾラの蒼光を纏った蹴りを受けるのだった。


 周囲は静まりかえる。
 先程まで、ガジルと暴れ回っていた、火竜が堕ちる。

「ナツ……ナツ!!」

 青猫、ハッピーの叫びが響き渡る。

 すぐさま、エルフマンがナツに駆け寄る。
 そして、ヨゾラに

「不意打ちなんて卑怯だぞ!それでも漢か!?」

 エルフマンの言葉にヨゾラは

「漢も不意打ちも関係ない……邪魔する者は排除するだけです」

 卑怯な手などお構い無し。
 堂々とした戦いなど関係ない。


 ヨゾラに話しかけるのはエルフマンだけではない、ナツとの勝負を邪魔されたガジルも。

「ニコニコ野郎!!火竜は俺の獲物だぞ!」

「遅いからです、ガジルさん」

 ガジルが獲物を横取りされ怒るが、飄々とした態度で返事をする。

「それに、ナツ・ドラグニルは僕の事も呼んでいましたので?」

 確かにそうではあるが、納得はできないガジルそして同時に

「てめぇもやっぱり、滅竜魔導師か?薄々は気づいていたが」

 ガジルは、ヨゾラから微かに竜の匂いがすることに感づいていた。

「えぇ……星の滅竜魔導師です……ナツ・ドラグニルやアリス・ミラクルア、ガジルさんとは少し違いますが……ロフォロンさんと同じということです……それとウィリアムさんもですね」

「ギヒッ!そんな気はしていたぜ」

 第1世代の滅竜魔導師のガジル、ナツ、アリス、竜に育てられ滅竜魔法を習得した者達。

 ヨゾラとロフォロン、ウィリアムの3人は、竜のラクリマを埋め込んで、滅竜魔法を扱う、第2世代の滅竜魔導師。

 滅竜魔導師にもいろんな世代がある。
 滅竜魔導師達は、ある程度は誰がどの世代なのかが分かるらしい。一部気づかない者も居るが。



 しかし、今はそんなことはどうでもいい。
 ヨゾラはナツを倒して、そのままギルドの外へと歩き始める。

 ナツ・ドラグニルは仕留めた。
 次は、ルーシィの元へ向かうために。

「それでは、僕は失礼します」

 そんな、ヨゾラの肩をエルザが掴む。

「お前は敵なのか?」

「エルザさん、僕は妖精、幽鬼どちらの敵、味方ではございません。僕はルーシィお嬢様の忠実なる下僕……お嬢様の味方……それ以外の何でもございません」

 狂ったような笑顔で笑う。
 全てはルーシィお嬢様のために。

「ルーシィが喜ぶと思うのか?ルーシィが……」

「部外者が入ってくるな…………それでは、失礼しますエルザさん。……ガジルさん、また顔をだします」

 ヨゾラはギルドの外へ、ルーシィが待つ場所に。




 その後、妖精の尻尾は撤退。
 幽鬼の支配者の魔導師は勝利の喜びに、沸き上がるのだった。








 一方、捕らわれたルーシィは、ある部屋である人物達と共にいた。

「………………………………」

 ルーシィは、まだ意識はなく部屋のベッドで眠っている。

 ルーシィに迫る、変態が動きだす。



「ルーシィたん!生で見る方がやっぱり、可愛いねぇ!私は我慢できない!!!」

 変態、コーネリア伯爵。
 ルーシィの眠る横で筋トレに励む変態が……。











 







 
  
 

 
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