ハッピークローバー
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第百六十八話 最後日の開始その十五
「それならだよ」
「逃げないとね」
「そうだよ、それで逃げるななんて言うのは」
それはというと。
「馬鹿だよ」
「そう言っていいわね」
「それで運命も悪くなるから」
「そんな部活は辞める」
「親だったら辞めさせる」
「そうすることね」
「幾ら素晴らしいことをする部活でも」
それでもというのだ。
「そんな奴がいるなら」
「碌なところじゃないから」
「おかしいってわかったら」
「その時点で辞める」
「若し訳もなく暴力が振るわれるなら」
そうであるならというのだ。
「その部活からすぐに逃げないとね」
「自分が振るわれなくても」
「そうでないと駄目だよ」
「自分が何かされる前に」
「何でも試合に負けて」
そうなりというのだ。
「顧問の先生が部員全員に丸坊主にしろって言って」
「それも体罰よね」
「次の日そうしてきた部員が多くて怒って」
「暴れたの」
「それでその先生は丸坊主にしていなかったらしいよ」
「いや、自分がしろって言うなら」
留奈はその輪を聞いて顔を顰めさせて言った。
「自分もでしょ」
「けれどその先生はしなかったんだ」
「それでしてきた部員が少なくて暴れたの」
「暴力振るったらしいよ」
「酷いわね」
「それでそれを見た人はその日でね」
「部活辞めたのね」
「それで後で先生が暴力を振るい続けるって聞いて」
そうした部活でというのだ。
「もうね」
「辞めてよかったね」
「そう思ったらしいよ」
「そうなのね」
「あの、負けたからね」
伊東はここでも眉を顰めさせて言った。
「それだけで丸坊主って」
「それも部員全員って」
「それを強制ってね」
「それ自体がね」
「どうかだし、これが皆でね」
さらに話した。
「気合を入れなおす為にね」
「やるなら兎も角」
「強制はね」
「あってはならないわね」
「しかもこうした時ってね」
生徒にやらせるならというのだ。
「まずだよ」
「自分がよね」
「だって部活の顧問がね」
その立場の者がというのだ。
「責任者だから」
「責任あるわよね」
「それじゃあまずはね」
部員全員に丸坊主を強制するならというのだ。
「自分がだよ」
「丸坊主にすべきよね」
「それをしないで」
そのうえでというのだ。
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