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ハッピークローバー

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第百六十八話 最後日の開始その十四

「最低だよ」
「そう言うしかないわね」
「それで部活にトラウマ持って」
「もう部活入らなくなったら」
「最悪のことだよ、部活は本来楽しい場所で」
 そうであってというのだ。
「行って物凄く貴重な経験も得る」
「そんなところよね」
「そうなのにね」
「トラウマ持って逝かなくなったら」
「こんな悪いことはないから」
「変な部活は辞めて」
「すぐにね」
 おかしいと思った時点でというのだ、残念ながら日本の学校は極めて閉鎖的な世界でありそうした部活も存在するのだ。
「別の部活に入るべきだよ」
「幾ら自分が好きなことしていても」
「どうしてもやっていきたいならいいよ」
「その部活を」
「例えば野球がしたいなら」
 それならというのだ。
「変な野球部でもね」
「野球がしたいなら」
「どうしてもね、それならね」
「やることね」
「そうすればいいけれど」
 それでもというのだ。
「そうでない、そして他の場所で野球が出来るなら」
「そこに行った方がいいわね」
「絶対にその野球部にいたい訳でもないとね」
 そうでない限りはというのだ。
「すぐに辞めるべきだよ」
「別の場所で野球することね」
「それで他のことでもいいなら」
「他の部活に移ることね」
「毎日殴られて蹴られて罵られて」
「暴力受けて」
「部活自体に拒否反応持つよりずっといいから」
 だからだというのだ。
「辞めるべきだよ、逃げたら駄目じゃなくて」
「碌でもないところからは逃げる」
「逃げることは恥じゃないよ」
 伊東は言い切った。
「それも決断で決断には勇気がいるから」
「悪いことじゃないわね」
「物凄い体格の暴力教師がいるのに」
「それで暴力振るわれるのに」
「逃げるなって言って」
 それでというのだ。
「若し怪我でもしたらどうなるか」
「トラウマ受けるかね」
「そうなったら手遅れだから」
「逃げることね」
「そうだよ、まして教師って中々クビにならないよね」 
 伊東は留奈に言った。
「公立だと」
「公務員の扱いだからね」
「そう、それで他の公務員の人よりずっとね」
 伊東はさらに言った。
「問題起こしても表に出ないで」
「揉み消せるわね」
「学校ってそうした場所だから」 
 その閉鎖性故にだ。
「だからね」
「そんな先生もクビにならないわね」
「ずっと残るから」
「逃げた方がいいわね」
「ヤクザ屋さんみたいな人でも残るんだよ」
 当然公務員でも暴力行為を行えば責任を問われる、そして免職にもなる。これが普通の社会というものだ。 
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