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夢幻水滸伝

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第三百九十話 献身的に働いてその八

「私一人ではここまでです」
「ここまで?」
「ここまでといいますと」
「はい、私はジャマイカだけが限度です」 
 そうだというのだ。
「勢力の棟梁としては」
「そうなのですか」
「マルタ様は」
「人には器がありまして」
 そうであってというのだ。
「それは努力で大きく出来てもすぐやなくて」
「徐々にですね」
「大きくなっていくものですね」
「そうですさかい」
 だからだというのだ。
「今の私ではです」
「ジャマイカ一国ですか」
「この国を治められるのが限度ですか」
「そうです、そやからです」
 自分をそうした者と見ているからだというのだ。
「これからはです」
「領土拡大等は考えられないですか」
「とても」
 老婆の問いに首を横に振って答えた。
「夢にもです」
「そうなのですね」
「それで考えてるのは」
 それはというと。
「キューバのインファンテさんとお話をして」
「あの方とですか」
「二人でやっていこうとです」 
 その様にというのだ。
「考えています」
「あの方とですか」
「そうです」
 まさにというのだ。
「あの人と」
「そうなのですね」
「一人より二人ですね」
「はい」
 老婆はマルタの言葉にその通りだと返事をした。
「そのことは」
「そやからです」
「これからはですか」
「あの人と同じ勢力になって」
 そうしてというのだ。
「ことを進めたいです」
「インファンテ様のことは私も聞いていますが」
 孫娘は確かな顔になりマルタに話した。
「非常に立派な方です」
「勇敢でしかも善政を敷いて」
「器が大きく人情家でもあります」
「起きた世界でもそうで」
 インファンテはというのだ。
「頼りにもなります」
「そうした人だからですか」
「一緒になりましても」
 そうなろうともというのだ。
「安心出来るので」
「だからですか」
「はい」 
 マルタは確かな顔と声で答えた。
「あの人とです」
「これからはですね」
「二人で、です」
 共にというのだ。
「ことを進めていきたいです」
「それではこれから」
「はい、あの人とお話をしまして」
 そうしてというのだ。
「一つの勢力としてやっていきたいです」
「ジャマイカとキューバで」
「そうしていきたいです」
「そうですか、それではこれから」
「私がキューバに行って」
 インファンテのその国にというのだ。 
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