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夢幻水滸伝

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第三百九十話 献身的に働いてその七

「そやからです」
「ですから勢力を旗揚げされて」
「そちらの棟梁になり」
「そちらを頑張られてもです」
 そうしてもというのだ。
「ええと思います」
「そうですね」
 老婆も孫娘も信じられる者達だ、能力から見ても人格から見てもそうであり他の経営陣もそうであることはマルタ自身がわかっている、それで頷けた。
「会社のことは」
「どうされるかはマルタ様が決められますが」
「会社のことは安心して下さい」
「このまま経営していきます」
「そして多くの人に貢献していきます」
「そうですか、では」
 マルタは二人の言葉を受けて述べた。
「少し考えさせて下さい」
「これからどうされるか」
「そのことをですね」
「はい、そして」 
 考えたうえでというのだ。
「決断しますので」
「わかりました、ではです」
「よくお考え下さい」
 老婆と孫娘はこう返した、そうしてだった。
 マルタは暫くの間考えそして勢力を旗揚げすることにした、キングストンを拠点としてそうしてだった。
 ジャマイカ統一と統治を目指すことを宣言した、すると瞬く間にジャマイカ全土の街や村が彼女の勢力に入りたいと申し出てだった。
 マルタはジャマイカを統一し統治に入った、その統治は見事なものでジャマイカを豊かで平和にしていった。
 そして会社は経営を老婆と孫娘を中心とした経営陣に任せたが。
「今も会長としてですね」
「はい、経営には携わっておられないですが」
「それでもです」 
 老婆と孫娘はキングストンの市庁舎のマルタの執務室で彼女に話した。
「マルタ様は会社の創業者です」
「わし等も忘れません」
「ですから会長職はそのままです」
「名誉職になりましたが」
 それでもといいうのだ。
「そのお立場で、です」
「会社いえグループに籍を置いてもらっています」
「しかも株主配当に」
 マルタはこちらの話もした。
「お給料もですね」
「あります」
「支払われています」
「そうですね、有り難いです」
 まさにというのだ。
「ほんまに」
「これ位は当然です」
「お気になさらずに」
「受け取って頂き」
「ご自身に使われて下さい」
「それでは」 
 こう話してそうしてだった。
 マルタはその話を受けることにした、だが。 
 執務室のソファーに向かい合って座る二人にだ、こんなことを言った。
「ジャマイカの統治は順調ですが」
「はい、日に日にです」
「豊かになっています」 
 二人はまさにと答えた。
「有り難いことに」
「そうなっています」
「それはええことですが」
 難しい顔で言うのだった。 
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