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ハッピークローバー

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第百六十八話 最後日の開始その十二

「行けるか」
「行けないわよね」
「何かね」
 伊東はさらに言った。
「そんな部活でも親によってはね」
「行けって言うのよね」
「自分の頃はそうだったとか言ってね」
「あるあるね、昭和よね」
「悪い意味でね、昭和が間違っていたんだよ」
 その頃の教育がというのだ。
「暴力を振るうなんて」
「どんな理由があってもね」
「自分の子供に殴られて来い、蹴られて来いなんてね」
「最低な親の言うことね」
「部活行ったらそんな目に遭って」
「親に行けって言われて」
「どうせこんな親子供が行きたくないとか辞めたいとか言っても」 
 それでもというのだ。
「辞めさせないし最悪親が殴ってくるよ」
「それで行けっていうのね」
「そんな目に遭うなら」
 それならというのだ。
「もう最初からだよ」
「部活入らないわね」
「特にはじめて入った部がこうだと」
 平然と暴力を振るう輩がいるならというのだ。
「もう二度とね」
「辞めた後はね」
「何とか辞めてね」
「もう二度と入らないわね」
「部活ってそんなものだって思って」
 それでというのだ。
「暴力がまかり通る場所だって」
「自分が危害を受けて」
「しかも誰も守ってくれない」
「親でもね」
「そう思ったら」 
 その時はというのだ。
「もうね」
「入らないわね」
「二度とね」
「そうなるわね」
「そんな部活に入ったらね」
「すぐに逃げないとね」
「運命も悪くなるよ」
 伊東は断言した。
「トラウマ持ってね」
「そのうえでね」
「そのトラウマを克服しないと」
 そうしなければというのだ。
「運命にも影響するしね」
「悪くなりかねないわね」
「そうだよ。何でも自分の子供が部活で先生にいつも殴られ蹴られ罵られてで」
「暴力を受けていて」
「お前が目立つからだ、生意気だからだってね」
「それ自分の子供に言う言葉じゃないわよ」
 留奈は嫌悪感を剥き出しにして言った、世の中誰であろうと言っていいことと悪いことがあると思ってのことだ。
「誰にだってね」
「行ったらいけないね」
「けれど自分の子供になのね」
「言ってね」
 そうしてというのだ。
「無理に行かせて結局続かないで」
「辞めて」
「もうその人二度とね」
「部活に入らなかったのね」
「入ったら最後ね」
「またそうなるって思って」
「誰が何言ってもね」
 留奈に嫌そうな顔で話した。
「どんな部活にも入らなかったそうだよ」
「本当に最悪のケースね」
「親がその部活に入れって言ったら」
「そんな部活だったのね」
「とんでもない暴力教師がいるね」
 そうしたというのだ。 
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