夢幻水滸伝
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第三百八十九話 カリブ海の海賊その十三
二人は仲間同士となり勢力もキューバとジャマイカを合わせたカリブ海最大のものとなった。そして実際に統治をはじめたが。
共に仕事をしつつだ、インファンテはマルタに尋ねた。
「マルタちゃんこっちの世界ではどうやってん」
「どうといいますと」
「自分と仲間になるまでな」
「それまで、ですか」
「そや、どないやったんや」
このことを尋ねるのだった。
「一体」
「そのことですか」
「そや、それまでな」
「この世界に来てからですね」
「色々あったと思うけどな」
「そんなになかったと思いますけど」
「いや、そう言うてもな」
書類仕事をしつつ笑って話した。
「人生色々でな」
「何かとありますか」
「そや、それでや」
「そのお話をですか」
「聞かせてくれるか」
「そう言われるなら」
マルタは一呼吸置いて応えた、見れば彼女も書類仕事をしている。同じ部屋でそれぞれの席に座ってそうしている。
「お話させてもらいます」
「ほなな」
「そやけどまずは」
マルタはこうも言った。
「お仕事終わらせて」
「そうしてですか」
「そのうえで」
こう言うのだった。
「ゆっくりとお話しますか」
「そうするか」
「はい、お酒を飲みまして」
「美味いもんを食いながら」
「そうしながらです」
「ゆっくりとやな」
「お仕事をしながらですと」
今の様にというのだ。
「どうしてもです」
「仕事にも気がいってな」
「お話に集中出来へんので」
だからだというのだ。
「今はです」
「仕事に集中して」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「終わってからです」
「お話してくれるか」
「飲みながら」
「マルタちゃんも酒好きやな」
「大好きです」
笑顔で答えた。
「ほんまに」
「そやな、ほな美味い酒出してくれる店知ってるわ」
「このハバナで」
「そこに入ってな」
仕事が終わればというのだ。
「ジンなりラムなり飲んで」
「そうしながらですね」
「話してくれるか」
「ほな」
「そしてな」
それでというのだった。
「その店は肉も魚介類も美味い」
「どちらもですか」
「特にカルパッチョがな」
「そちらを特に食べて」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「やってこな」
「それでは」
「それで明日の朝はな」
インファンテは笑ってこうも言った。
「風呂に入らんとな」
「二日酔い前提ですか」
「飲むとな」
そうすると、というのだ。
「自分はな」
「酔い潰れるまで、ですね」
「飲んでな」
そうしてというのだ。
「朝はな」
「二日酔いですね」
「そうなってるさかいな」
「朝はお風呂ですか」
「シャワーもええけどお風呂の方がええ」
「お酒がより抜けますね」
「そやからな」
だからだというのだ。
「明日の朝はな」
「お風呂ですね」
「そっちにするわ、ほなな」
「夜はですね」
「話を聞かせてくれるな」
「そうさせてもらいます」
マルタは微笑んで応えた、そうしてだった。
仕事が終わると二人で店に入った、そのうえで強い酒と魚介類の料理を楽しみつつ話をするのだった。
第三百八十九話 完
2025・2・8
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