夢幻水滸伝
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第三百八十九話 カリブ海の海賊その十一
「そう言ってるんか」
「左様です」
「あの娘から来るなんてな」
インファンテは唸って言った。
「流石にな」
「想像しておられなかったですね」
「ああ、けれどそれやとな」
官吏に話した。
「会談しよか」
「そうされますか」
「ああ、そしてな」
そのうえでというのだ。
「話を聞こうか」
「それでは」
「それでマルタちゃん朝飯食ったんかいな」
インファンテは官吏にこのことを問うた。
「それで」
「今から船でと言われていました」
官吏はインファンテのその問いにも答えた。
「その様に」
「ほなええわ、自分も食うし」
「それからですね」
「会談や、ハバナの市庁舎でな」
「そうされますね」
「飯食って歯も磨いてからな」
こう言ってだった。
インファンテはトーストと焼き魚にオリーブオイルをかけたもの、サラダに牛乳を口にしてからだった。
歯を磨き市庁舎に向かった、するとその前に彼女がいた。
「おはようございます」
「おはようって起きた世界と同じやな」
インファンテはマルタの微笑んだ挨拶に笑って応えた。
「これやと」
「そうですね」
「そやけど悪うないな」
「砕けた雰囲気で」
「自分堅苦しいの苦手やしな」
笑ったまま話した。
「それでな」
「砕けてですね」
「話したい、ほな会談の場でな」
「これからですね」
「話そうな」
「そうしましょう」
マルタは笑顔で頷いた、そうしてだった。
急遽会談の場が用意され二人はそれに入った、するとマルタはインファンテに対して率直に申し出た。
「実は一緒にです」
「やっていきたいか」
「はい、一人でことを進めるよりも」
「二人やな」
「左様ですね」
「その通りや」
インファンテは向かい合って座っているマルタに話した、勿論彼も座っている。
「自分もそう考えてな」
「それで、ですか」
「これから使者を送ろうと思ってた」
「そうだったのですね」
「今日にでも送ろうと思ってたら」
「私が自分から来て」
「少し驚いたわ」
「そうでしたか」
「しかしな」
インファンテは笑ったまま話した。
「マルタちゃんがそう言ってくれるならな」
「二人でやっていこうと」
「そう言うならな」
それならというのだ。
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