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夢幻水滸伝

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第三百八十九話 カリブ海の海賊その十

「さらにな」
「カリブ海の統一をですね」
「進めるわ、しかし自分一人やとな」 
 どうしてもというのだ。
「限界があるからな」
「といいますと」
「星のモンの仲間が欲しいな」 
 こう言うのだった。
「これから」
「でしたら」
 オーナーはアクアパッツァの中のミニトマトを食べつつ言った。
「ジャマイカのマルタ=マッケイ様を」
「あの娘に誘いかけるか」
「そうされますか」
「あの娘はめっちゃ真面目で誠実や」
 そうであってというのだ。
「頼りになる娘や」
「それでは」
「あの方にですね」
「声をかけてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「一緒にですか」
「お二人で、ですか」
「そや、それでや」
 オーナーと船乗りに話した。
「そうしていきたい」
「そうですか、これからはですか」
「お二人でことを進められますか」
「丁度すぐ南やしな」 
 インファンテは二人に笑って話した。
「あの娘のおるジャマイカは」
「はい、このキューバのすぐ南です」
「あちらも島国ですね」
 オーナーと船乗りは即座に答えた。
「やはり底抜けに明るく」
「いい国ですね」
「そのええ国を見事に治めてるらしいし」
 彼女が善政を行っていることも話した。
「ええやろ」
「あの方もお誘いされますか」
「インファンテ様の勢力に」
「一緒にやっていこうってな、平和的な娘やし自分も戦なんてするつもりないし」
 それでというのだ。
「明日にでも使者を送ろうか」
「わかりました、それでは」
「その様に」
 オーナーと船乗りもそれならと応えた、そうしてこの夜は三人で心ゆくまで飲んで食べて楽しんでキューバの統一を祝ったのだった。
 インファンテは船に住む様になっていた、港にあった古いもう使われなくなった海賊船を改修して家にしてだった。
 そこに住んでいた、使用人達も棟梁になったということでそれなりの生活をと周りに言われ雇って彼等に食事の準備や掃除をしてもらい。
 船の中にもうけた風呂にも入った、二人と統一を祝って飲んだ朝二日酔いでまずは朝風呂に入ってだった。
 酒を抜いてすっきりして朝食を食べようとしたところでだった。
「えっ、マルタちゃん自身がか」
「ハバナに来られています」
「今日使者送るつもりやったんやが」
 船に来た当直だった官吏に言った。
「それがかいな」
「ご自身がです」
「ハバナに来たんか」
「今しがた船で」
「それで自分に会いたいってか」
 トーストを持ったままだった、マミーの官吏に問うた。 
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