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新オズのブリキの樵

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第七幕その十一

「僕が思うにね」
「そうなのね」
「そもそもドロシーがオズの国に来なかったら」
 カンザスにというのです。
「皆オズの国を知ることも出来なかっただよ」
「あの時からね」
「そう、ボームさんがいてくれて」
「私がオズの国に行ったことを知ってくれたから」
「ボームさんが知ったこともね」
 このこともというのです。
「本当にね」
「私がいたからで」
「本当にドロシーがいなかったら」
「皆オズの国を知らなかったのね」
「そして僕達もだよ」 
 樵はかかしそれに臆病ライオンと一緒に言いました。
「果たしてどうなっていたか」
「ずっと畑にいたかもね」
「臆病だと思ったままだたかもね」
「動けないままだったかも知れないんだよ」
「私と出会って」 
 ドロシーは思いました。
「今の皆があるっていうのね」
「そうだよ」
「まさにね」
「僕達もドロシーと出会って変わったんだよ」
 三人でドロシーに言います。
「そう思うとね」
「どれだけ不思議か」
「最高の不思議だよ」
「私の出会いはオズの国で一番の不思議なんて」
 ドロシーは信じられないといったお顔で言いました。
「考えていなかったわ」
「けれど僕もそうだと思うよ」
 トトもドロシーに言ってきました。
「ドロシーと出会えたからね」
「皆変わったのね」
「不思議にね、本当にオズの国で一番の不思議はね」
「出会いで」
「特にドロシーの出会いはね」
「不思議なのね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「そうなのね」
「事実ドロシーが来てからだよ」
 樵はドロシーにこうも言いました。
「オズの国はどんどん変わっていってるんだよ」
「そうなのね」
「そのことを見るとね」
 そうすると、というのです。
「本当にね」
「私の出会いは不思議なのね」
「そうだよ、ドロシーの出会いはオズの国一番の不思議だよ」 
 樵はドロシー本人に言いました。
「これ以上はないまでにね」
「そんなこと思わなかったわ」
「けれど実際にね」
「私が来てからなの」
「オズの国はどんどん変わっていってるし」
「それまで然程変わらなかったのが」
 それがと言うかかしでした。
「本当にどんどん変わる様になったね」
「川が流れる様にね」
「そうそう、凄く変わったよ」
 かかしは樵の川がという言葉に大いに頷きました。 
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