金木犀の許嫁
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第六十二話 お見合い前にその五
「惑わされないことよ」
「それが大事ですね」
「ええ、あとね」
「あと?」
「あの二人と若し縁が出来ても」
人を裏切った者達はというのだ。
「信用したら駄目よ」
「言うことは」
「そう、誰もあの二人は相手にしていないから」
「嫌って」
「人を裏切る人達だってね」
このことがというのだ、真昼は事実を見てそれを厳然と認識してそのうえで白華に語っていくのだった。
「わかってるから」
「その事実が知れ渡って」
「それでね」
その結果というのだ。
「皆信用しないし嫌って」
「相手にしていないですね」
「だから白華ちゃんもね」
「あの人達はですね」
「例え向こうから近寄ってきても」
それでもというのだ。
「相手にしないでね」
「信用しないで」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「他のいい人達とよ」
「お付き合いしていくことですね」
「あそこまではっきりしている悪人とはね」
「人を平気で裏切るですね」
「それも自分達の都合でね」
それで以てというのだ。
「そんな人達とはね」
「付き合わないことですね」
「そう、そしてね」
「いい人達とお付き合いをする」
「そうしていくことがね」
まさにというのだ。
「いいことよ」
「そうですか」
「火を分け隔てしないことは大事だけれど」
それでもというのだ。
「最低な人達とはね」
「付き合わないことですね」
「そう、人間の屑とはね」
そう言うしかない輩とはというのだ。
「付き合わないことよ」
「絶対にですね」
「その方がいいわ」
真昼は白華の今の言葉を強く出した。
「やっぱりね」
「わかりました」
白華も確かにと頷いた。
「そうしていきます」
「宜しくね」
「はい、それで豊さんは」
「大丈夫よ」
真昼は彼についてはにこりと笑って答えた。
「あの人はね」
「信用出来る人ですね」
「ぱっと見てお話を話しただけれどね」
「それでもですか」
「彼はいい人だって」
その様にと言うのだ。
「思うわ」
「真昼さんもですね」
「そうよ」
実際にというのだった。
「私はね」
「そうですか」
「だからお見合いしてね」
「将来夫婦になっても」
「大丈夫よ」
「幸せになれますね」
「そう、ただよく見てね」
真昼はこうも言った。
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