金木犀の許嫁
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第六十二話 お見合い前にその四
「上手く行く様にするのね」
「そうよ、ただね」
「ただ?」
「自分が動くべき時もね」
今回とは逆にというのだ。
「あるから」
「時としては」
「そこは見てね。押せばいい訳でもね」
常にというのだ。
「ないし引いてばかりでもね」
「待つばかりでもですね」
「駄目だから」
「状況を見て動くことですね」
「あと焦るのは」
それはというと。
「絶対にね」
「駄目ですね」
「焦ると正常な判断が出来なくなるから」
だからだというのだ。
「もうそれはね」
「絶対にですね」
「駄目よ」
焦ることはというのだ。
「そうなると間違えて取り返しのつかないことにもよ」
「なりますか」
「あと周りにやたら告白しろとか急かされても」
「流されないことですね」
「急かした人が何かあったらね」
「どうするか」
「もう知らないで手の平返して縁を切るなんてね」
そうしたこともというのだ。
「あるしね」
「あの遠井さんのお話ですね」
「あのお話学園で有名だしね」
「今は素敵な人とお付き合いしていますか」
「当時一緒にいた友達に思っていた人達が急かしてね」
真昼は白華に話した。
「告白する様に言って」
「告白したら振られて」
「それで振った人のお友達が急かした人達に言ったでしょ」
「遠井さんと付き合うなって」
「関係ないでしょって思うけれどね」
真昼としてはだ。
「そう思ってもね」
「言って急かした人達は立場が悪くなるとみて」
「遠井さんと縁切ったでしょ」
「切り捨てましたね」
「陸上部の嫌われ者二人で」
「あの人達本当に嫌われていますね」
「人を裏切ったから」
そのことがはっきりわかっているからだというのだ。
「もう誰もね」
「お付き合いしないですね」
「ああした人もいるから」
「急かしてもですね」
「自分でじっくりと考えて」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「告白することですね」
「そうよ」
そうすべきだというのだ。
「本当にね」
「それが大事ですね」
「あの二人は縁を切る時遠井さんにお前が決めたからって言って」
「切り捨てましたね」
「けれどこの言葉自体はね」
真昼は真面目な顔で話した。
「事実よ」
「その通りですね」
「決めるのは自分だからね」
「よく考えることですね」
「だから急かされてもね」
そうなろうともというのだ。
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