金木犀の許嫁
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第六十二話 お見合い前にその三
「紹介してくれますね」
「これからね」
「そうさせてもらいます」
「何かお話まとまったわね」
その二人を見てだ、夜空は真昼と佐京に優しい微笑みで話した。
「白華ちゃん達は」
「そうね」
「いい感じだね」
真昼と佐京も二人を見て微笑んだ。
「それじゃあね」
「二人はあのままでいいわね」
「そうね、私達はね」
夜空はそれでと言った。
「お寺を案内するって言ってるけれど」
「私達も一緒だけれど」
「主役は白華だね」
「そうなるわね、一緒にいても」
白華と、というのだ。
「それでもね」
「離れてね」
「見守ろうね、二人を」
「それがいいわね、一緒にいてもね」
「こうした時はね」
「離れるべき時があるね」
「それが今ということね」
笑顔で言った。
「つまりは」
「ええ、それじゃあ」
「俺達はそうしよう」
真昼も佐京も頷いてそうしてだった。
実際に距離を開けた、寺に帰ると豊は寺のことを話して案内もしてくれたがあくまで主は白華であった。
それで寺の案内も終わって部屋に帰るとだった。
「よかったです」
「そう思えてるのね」
「はい」
白華は真昼に曇りのない笑顔で話した。
「本当に」
「それは何よりね」
「はい、それで」
さらに言った。
「お見合いの前にです」
「いい流れを掴めたのね」
「私も豊さんも」
彼もというのだ。
「お見合いを前にして」
「それじゃあお見合いは」
「少なくとも私達はです」
実際にお見合いを行う当人達はというのだ。
「和気藹々とです」
「進められるわね」
「はい、そして」
「成功するわね」
「それが見えてきたと思います」
「それは何よりね、それじゃあね」
真昼は笑顔で述べた。
「お見合いは問題なしね」
「そうですね」
「自分から動くよりも」
あらためてこのことを話したのだった。
「待つこともね」
「大事ですね」
「ええ、所謂駆け引きね」
「恋の、ですか」
「それはね」
「攻めるだけじゃないですね」
「状況を冷静に見て」
そうしてというのだ。
「引いたり待つこともね」
「行うことですね」
「そうなの、そしてね」
そのうえでというのだ。
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