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スラム街の下着

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第三章

「我が国ではな」
「それがないですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「家もな」
「我が国は誰もがアパート暮らしですが」
「ただ住めるだけだ」
「それだけで」
「いい場所で暮らすこともな」
 それもというのだ。
「これといってだ」
「考えていませんね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「冬は暖かい」
「そうであればいいです」
「だがアメリカはスラム街のアパートもな」
「むしろソ連より上ですね」
「そう言ってよくてな」
 そうであってというのだ。
「家具もだ」
「遥かに豊かですね」
「そうであるからな」
「だからですね」
「アメリカと本気で、全面的に衝突するとな」
 その場合はというと。
「確実にだ」
「敗れるのは我が国ですね」
「ここまで豊かな国に勝てるか」
「軍事力だけで」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「アメリカだけではない」
「日本も西ドイツもですね」
「我々より遥かに豊かだ」
 そうであるというのだ。
「イギリスやフランスやイタリアもな」
「どの国もですね」
「我が国は超大国だが」
「そうなっていますね」
「そのことは事実でもな」
 それでもというのだ。
「国土は広く人口は多くな」
「アメリカよりも」
「資源も豊富でだ」
「軍事力も備えています」
「だが貧しい」 
 その実態はというのだ。
「あらゆる面でな」
「そうですね」
「超大国と言ってもな」
「貧しいですね」
「私もスラム街の住人程下着は持っていない」
 カストフスキーは話した。
「そしてハンバーガーを食べて驚いた」
「あの美味しさに」
「それも誰もが食べられることにな」
 このことについてもというのだ。
「驚いた」
「左様ですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「私としてはな」
「アメリカ、西側諸国との衝突はですね」
「本気でそうなることはな」
「避けるべきとですね」
「考えている、そしてそれはな」
 このことはというと。 
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