夢幻水滸伝
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第三百八十八話 提督と戦う為にその十七
「そうしてたで」
「そやったな」
「ああ、今は船で海に出るよりもな」
「政やな」
「そうしてるわ」
「それでよ」
アレンカールは今も日本酒を飲んでいる、そのうえで牛肉を美味そうに食べてインファンテに話した。
「これまでのこと聞きたいけれど」
「自分達のことをですか」
「ええ、いいかしら」
インファンテに笑顔で言った。
「そうしてもね」
「はい、それなら」
インファンテもワインを飲みながら言った。
「今から」
「ええ、飲んで食べながらね」
「負わさせてもらいます」
「ほな聞かせてもらうわ」
「宜しくです」
「いや、美味しいものを飲んで食べてね」
そうしつつというのだ。
「おもろいお話を聞くと」
「そうすると、ですね」
「余計にいいわね」
「そうですよね」
「あんたもそういうの好きでしょ」
「はい、ただ自分が話すと」
そうすると、というのだ。
「楽しんでもらえるかどうか」
「わからへんのね」
「そうですがお話してくれと言われたら」
それならというのだ。
「自分もです」
「お話してくれるわね」
「はい」
アレンカールに笑顔で答えた。
「ほなです」
「これからね」
「お話させて頂きます」
「あっ、ええの来ました」
マルタはあるメニューが運ばれてきたのを見て言った。
「鰻料理です」
「そうそう、鰻を食べるとね」
アレンカールはその鰻料理を見て笑顔で言った、あの評判の悪い鰻のゼリーはそこにはない。そして日本人が好きなかば焼きもない。
「舌が回るらしいよ」
「そうなんですね」
「そう言われてるわ」
「そんなお話があるんですか」
「マルタちゃんもお話してくれると思うけれど」
それでもというのだ。
「フランスかどっかでね」
「そうしたことがあったのですか」
「お坊さん達が食べて」
そうしてというのだ。
「それでね」
「そのうえで、ですか」
「皆やたら口が滑って」
「色々言ったんですね」
「そうしたことがあったのよ」
「そうですか」
「口を滑らすのはよおないけれど」
「よくお話することはですね」
「ええからね」
だからだというのだ。
「それでね」
「それで、ですか」
「そう、本当にね」
まさにというのだ。
「鰻も食べてね」
「そうしながらですね」
「これまでのことお話してね」
「それでは」
「そうさせてもらいます」
インファンテも応えた。
「今から」
「お願いね」
「はい、あとこの鰻ですが」
インファンテは鰻のアクアパッツァを見つつアレンカールに尋ねた。
「何処の鰻でしょうか」
「カリブ海のやけど」
「あのサルガッソーの」
「ええ、こっちの世界でもあそこで卵産むわね」
鰻達はというのだ。
「そこで大きなのを獲ってよ」
「そうでしたか、あそこの鰻は好きですさかい」
「楽しんで食べられるわね」
「はい、頂きます」
笑顔で応えてだった。
インファンテもマルタも鰻を食べて話をはじめた、他の面々も食べてそうして二人の話を聞くのだった。
第三百八十八話 完
2025・2・1
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