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おぢばにおかえり

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第八十四話 日常を過ごせるのもその四十五

「これも縁ですね」
「そうなる刻限になりましたね」
「そうなるかしら」 
 新一君の笑っての言葉に応えました。
「今回は」
「いいことですね」
「そうね、奈良県はおぢばがあるし」 
 他ならないその場所がです。
「それに教会も多いしね」
「そうですよね」
「大教会もね」
「桜井市や郡山市に」
「奈良市にもね」
 本当に大教会も多いです。
「じゃあそうした場所もね」
「見ていきますね」
「ええ、高校の時はおぢばにいたけれど」
 基本こちらから出ることはありませんでした。
「けれどね」
「それでもですね」
「今はね」
「おぢば以外の場所も行けますね」
「そうなったわ」
 大学生になってこのことが嬉しかったりします、とはいいましてもそんなにおぢばから出てはいません。
「今はね」
「それは何よりですね、それじゃあ」
「私が運転するから」 
 新一君に自分から言いました。
「宜しくね」
「案内させてもらいますね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「いや、新一君とドライブね」
 今ふと気付きました。
「そうなるわね」
「嬉しいですね」
「こうしたことって本当に好きな人と」
 若しくは家族と、です。
「するものだけれど」
「僕じゃ駄目ですか」
「いや、駄目じゃないけれど」 
 それでもです。
「何かね」
「あります?」
「デートみたいね」
 こう思いました。
 
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