金木犀の許嫁
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第六十一話 相手が来てその一
第六十一話 相手が来て
白華が夜空達と自分達に用意された部屋でお茶を飲んで落ち着いているとだった、幸雄と佐京が来て言ってきた。
「これからお城に行きませんか」
「案内してくれるそうだよ」
「私は今から挨拶回りですが」
「俺は一緒だよ」
「お寺の跡継ぎさんが案内してくれるそうですが」
「一緒にどうかな」
「私の言った通りになったわね」
二人の言葉を聞いてだった、夜空は白華に笑顔で言った。
「待っていたらね」
「はい、あちらの方からですね」
「申し出てきたわね」
「そうですね、こうした時はですね」
「どうも女の子はね」
白華に右の人差し指を立てて話した。
「最初はね」
「男の人を待つんですね」
「そう、そうしてね」
「相手の方が来られて」
「それならってね」
「自分も動くんですね」
「そうすることがね」
笑顔で言うのだった。
「いいみたいよ」
「そうですか」
「だからね」
それでというのだ。
「今回はね」
「落ち着いて待って正解でしたね」
「ええ、何でもね」
夜空はさらに話した。
「こうしたことって男の子の方が動くから」
「恋愛は」
「だからね」
それでというのだ。
「女の子は待って」
「男の子が動いたら」
「それを受けるのよ」
「待ってですね」
「ええ、まあどうしても来ないなら」
その時はというと。
「自分から動いてもね」
「いいですか」
「けれど最初はね」
「待つんですね」
「そうしたらいいみたいよ」
「そうですか」
「台湾だとね」
夜空は台湾出身の娘から言われたことも話した。
「男の人はどんどんね」
「告白するんですね」
「何度もしたりするけれど」
それでもというのだ。
「それがね」
「いいんですね」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「ここは日本だけれど」
「女の子は待ってですね」
「受けるの」
「たださっき夜空ちゃんがどうしてもって言ったけれど」
真昼は笑ってこんなことを言った。
「自分から動いてもね」
「いいですか?」
「最近そうした娘もいるわ」
「それって」
夜空はそうした人の話を聞いて言った。
「肉食系ですか」
「そうね」
真昼も否定しなかった。
「そう言うわね」
「肉食系ですか」
「どうかしら」
こう言うのだった。
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