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金木犀の許嫁

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第六十一話 相手が来てその二

「白華ちゃんはそっちは」
「どうも」
 少し考えてからだ、白華は答えた。
「私はです」
「そっちはなのね」
「どうもです」 
 微妙な顔で話した。
「私には合わないと思います」
「そうなのね」
「はい、ですから」 
 それでというのだ。
「私はです」
「待ってよかったのね」
「そう思います」
「そうね」
 真昼はその通りと笑顔で応えた。
「今回はね」
「じゃあその人が来てくれたら」
「私達も一緒だけれどいいわね」
「はい、一緒にお城に行きまして」
「忍者の資料見ましょう」
「そうしましょう」
 こうした話をしてだった、幸雄は伊賀の知り合いの人達に顔見せに出た、そして待つ間佐京は白華に話した。
「俺達もお祖母さんのところにね」
「行きますね」
「そうしよう」
「私のお見合いもあって」
「そちらもここに来た目的だから」
 それでというのだ。
「お見合いの後でね」
「行きましょう」
「その時に」
 佐京はさらに話した。
「白華もお見合いする人と一緒だよ」
「お祖母さんへの挨拶ですね」
「そう、そしてね」 
 佐京は今度は夜空に顔を向けて話した。
「夜空さんもね」
「許嫁としての挨拶に」
「来てね」
「そうよね」 
 夜空は佐京の言葉に確かな顔で頷いて述べた。
「そうしないとね」
「駄目だよ」
「佐京君のお祖母さんなら」
 夜空はそれならと話した。
「やがてね」
「うん、夜空さんのお義祖母さんになるよ」
「そうよね」
「だからね」 
「ええ、佐京君のお祖母さん紹介してね」
「しっかりしたいい人だから」
 それでとだ、佐京は夜空に話した。
「安心してね」
「しっかりした人なの」
「真面目で芯がしっかりしていて」
 そうであってというのだ。
「厳しいけれど公平で決して感情的にならない」
「武家の奥さんみたいな人?」
「元々武家のお家でね」
「猿飛家と同じで」
「そうであってね」
 それでというのだ。
「まさに武家のお母さんなんだ」
「そうした人なのね」
「そういえば夜空さんまだ父方のお祖母さんお祖母さんに会ってない」
「そうなのよね」
 夜空もその通りだと答えた。 
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