金木犀の許嫁
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第六十話 伊賀へその十三
「お茶を飲んでね」
「お茶ですか」
「ええ」
それをというのだ。
「まずはね」
「私は落ち着いていますが」
「そうだと思うけれど」
夜空が見てもだ。
「何かする前に余裕があったら」
「落ち着くことですか」
「急いでいないならね」
そうであるならというのだ。
「そうしたらいいのよ」
「落ち着いていてもですか」
「落ち着いてね、その為にね」
まさにというのだ。
「お茶をね」
「飲みますね」
「そうしたいいし今はね」
「余裕があるのね」
「お茶を飲みましょう」
「そこまで言われるなら」
白華は夜空の言葉を聞いて述べた。
「そうさせてもらいます」
「ええ、それからね」
「お見合いをする人とですね」
「お会いしてね」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「お話することですね」
「そうしましょう」
「丁度お部屋にポットがあるわ」
真昼はそちらに気付いた。
「お湯呑みも急須もね」
「そうね、お茶の葉もあるし」
「ここにね」
妹にそれが入っている筒形の容器を持って見せた。
「あるし」
「それじゃあね」
「ええ、今からね」
「お茶を淹れて」
夜空は姉にも話した。
「そうしてね」
「それを飲んで」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「落ち着けばいいのよ」
「そうよね」
「何かやる前に」
「余裕があったら」
「一休みして」
そうしてというのだ。
「あらためてね」
「やればいいわね」
「だからね」
夜空はさらに話した。
「ここはね」
「お茶を飲むのね」
「三人でね、淹れるわね」
自分から言ってだった。
夜空は実際にお茶を淹れた、ポットにはお湯が満杯でありそちらには困らずすぐに淹れることが
出来た。
そのお茶を飲んでだ、白華は微笑んで言った。
「確かにです」
「落ち着けたでしょ」
「はい」
夜空に答えた。
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