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金木犀の許嫁

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第六十話 伊賀へその十二

「いい忍者になるよ」
「学びもして」
「そうしてね」
「そうするのね」
「そうするよ」
「それじゃあね」
 夜空は微笑んで頷いた、そうしてだった。
 五人はそれぞれの部屋に入ったが白華は何処となくそわそわとしていた、そのうえでこんなことを言った。
「私とお見合いするひとですが」
「このお寺の跡継ぎさんよね」
「一体どんな人か」
 真昼に話した、そこには夜空もいる。
「お見合い前ですが」
「お会いしたいのね」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「お話もです」
「したいのね」
「そう考えていますが」
「そうね」 
 真昼は少し考えてから白華に答えた。
「お会いしてもね」
「いいですね」
「そう思うわ、いきなりお見合いよりもね」
「その前にお話をして」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「お互いのことを知ってもね」
「いいですね」
「ええ」
 そうだというのだ。
「考えたけれどね」
「それならです」
 白華は笑顔で応えた。
「お父さんとお母さんが来る前に」
「お会いして」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「お話します」
「そうしてね」
「飛行機で来るので」
 両親はというのだ。
「すぐですが」
「ニュージーランドは遠くても」
「何時間かで来て」
 日本にというのだ。
「関西新空港からです」
「一気にこっちまで来てくれるわね」
「伊賀上野まで」
「そうよね」
「何日もかかりません」
 ニュージーランドから来てもというのだ。
「ですから」
「それまでにね」
「お会いして」
 そうしてというのだ。
「お話します」
「そうするのね」
「真昼さんに言われて決めました」  
 まさにというのだ。
「それで」
「そうなったのね」
「はい、では」
「お会いするのね」
「そうしてきます」
 笑顔で言った、それで行こうとしたが今度は夜空が言ってきた。
「あっ、待って」
「どうしました?」
「お会いするのはいいけれど」
 それでもというのだった。
「焦ってもね」
「仕方ないですか」
「まずは落ち着きましょう」
 こう言うのだった。 
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