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新オズのブリキの樵

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第五幕その十一

「民族衣装はね」
「着られないですね」
「どうもね、普段の服とね」
「王宮ではドレスで」
「そうした服を着てるわ」
「そうですよね」
「私もそうで」
 ドロシーはさらにお話しました。
「オズマもベッツイもトロットもね」
「オズの国の王女の方々は」
「そして他の有名な人達も」
 全員というのです。
「それぞれの服ね」
「そういえばそうですね」
「ええ、そこはね」
 実際にというのでした。
「それぞれよ」
「そうですね」
「それとね」
 樵も言いました。
「僕だってね」
「人間の身体だった時はね」
「民族衣装を着ていたよ」
「そうだったわね」
「そう、そして」
 それにというのです。
「快適だったよ」
「その時は」
「うん、けれど今はね」
「ブリキの身体になって」
「かえってね」
 それでもというのでした。
「いいよ」
「そうなのね」
「服はもうね」
「その身体自体よね」
「そうであってね」 
 それでというのです。
「着替える必要もなくて」
「それで気に入っているから」
「この身体はね」 
 まさにというのです。
「最高だからね」
「もう服はよね」
「着ないよ、この身体が服だから」
「そうなったから」
「他の服は着ないよ」
「そうなっているわね」
「今の僕はね」
 ドロシーに笑顔で言いました。
「そうよ」
「その通りね」
「うん、それとね」
「それと?」
「手入れもね」
 これもというのです。
「ちゃんとね」
「しているわね」
「毎日ね」
 まさにというのです。
「オイルを塗ってピカピカにしてね」
「そうしているわね」
「この通りね」
「そうしているわね」
「そうだよ、民族衣装もいいけれど」 
 人間の姿だった時に着ていたというのです。
「この服もね」
「ブリキの身体でもある」
「これでね」
「満足しているわね」
「もうね」 
 それこそというのです。
「最高の服だよ」
「そう、身体が服ってこともあるよ」
 トトも言ってきました。
「僕達もそうだしね」
「そうそう、あたしもね」
「私もね」
「私だってそうね」
 つぎはぎ娘にビリーナ、エリカも言ってきました。
「服は何かっていうと」
「毛皮よ」
「あたいは身体自体がよ」
「僕もだしね」
 臆病ライオンも言ってきました。
「この身体、毛皮自体が服だよ」
「私もだな」
「僕もだね」
「吾輩もである」
 熊の王様にラベンダー熊、伍長も言います。
「服は何か」
「この身体だね」
「ぬいぐるみのな」
「そう、身体自体が服ということもあってね」
 かかしも明るく言います。
「僕自身そうだしね、それでね」
「満足だよね」
「とてもね」
 樵に笑顔で応えました。
「僕も満足しているよ」
「服も色々だね」
「そう、オズの国の民族衣装もあってね」
「民族衣装を着たいなら着て」
「そして身体が服ならそれもよし」
「そういうことだね」
 こう言うのでした。
「要するに」
「服の形は一つじゃない」
「そのことも頭に入れてね」
「ファッションも楽しめばいいよ」
「それぞれね」
 こうお話しました、そして皆でファッションも楽しむのでした。
 
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