新オズのブリキの樵
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第五幕その八
「一体ね」
「そうよね」
「何か外の世界では色々言う人いるのよね」
「昔は今よりね」
「そう言う人多かったのね」
「私達がまだカンザスにいた頃はね、私は知らなかったけれど」
「知ってる筈ないね」
臆病ライオンが言ってきました。
「その頃のドロシーがね」
「ずっとカンザスの大平原にいてね」
「他の人と会うことがなかったからね」
「ずっとそんな環境だったから」
それでというのです。
「もうね」
「知ってる筈ないわ」
「そうだね」
「おじさんとおばさんも」
お二人もというのです。
「勿論ね」
「そうした考えはなかったね」
「お二人もアフリカ系の人と会ったことは殆どね」
「なかったんだね」
「長い間お会いしてなくて」
アフリカ系の人と、というのです。
「それでね」
「お会いしてもだね」
「数える位でもね」
それでもというのです。
「悪い印象はね」
「なかったんだね」
「そうだったしね」
「ドロシーも違うとはだね」
「思っていなかったわ、というか私ずっとアフリカ系の人にお会いしたことなかったのよ」
「はじめてお会いしたの何時かな」
「オズの国に来てね」
熊の王様に答えました。
「それからよ」
「そうだったんだ」
「それも王女として住む様になって」
そのオズの国にというのです。
「結構経ってからよ」
「お会いする様になったんだ」
「そうよ、アジア系の人達ともね」
「ヒスパニックの人達ともだね」
「オズの国にそうした人達も増えてね」
そうなってというのです。
「お会いする様になって」
「それからだね」
「私もお会いしたの」
「今じゃ普通におられるよね」
「そうである」
ラベンダー熊と伍長もお話します。
「最早である」
「どの人達もね」
「エルフの人達もいてである」
「ドワーフやノームの人達もいて」
「もう人種なんてある」
「何でもないよ」
「大切なものは何か」
カエルマンは言いました。
「何といってもね」
「人間性ですね」
「そうだよ、本当に何が問題か」
それこそというのです。
「それはね」
「人間性で」
「それ次第だよ」
「全くですね」
クッキーはカエルマンの言葉に頷きました。
「本当に」
「そうだよ、お肌や髪の毛の色なんてね」
「何でもないですね」
「それで人間性を見ないのなら」
その人のというのです。
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